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2024年1月10日(水)

きょうの潮流

 「初動が遅い」。能登半島地震への岸田政権の対応をめぐり、こんな声が上がっています。2016年の熊本地震では、発生から5日で自衛隊は2万2千人規模になりましたが、今回は9日目で6300人。避難所では食事がパン1個という状況が続き、多くの安否不明者も残されています。「政府は何をやっているのか」という批判も理解できます▼今回の震災対応を困難にしているのは「陸の孤島」といわれる能登半島の地理的要因です。一本の道がふさがれれば、どこにも行けない。石川県によれば、8日時点で能登地方の24地区3300人が道路の寸断で孤立状態にあるといいます▼発生当初は、道路の寸断はさらに広範囲におよび、元日で休暇中だった自治体職員の多くが出勤できなくなりました。こうした要因が、捜索や被災者支援に困難をもたらしたと思われます▼自衛隊の規模をめぐっては、熊本地震と単純比較はできません。それでも、もっとできることはあるのでは。例えば、陸路が困難なら空路=ヘリをもっと活用できないのか▼そんななか、防衛省は7日、千葉県の習志野演習場で、降下訓練を予定通り実施し、多くのヘリを戦闘訓練に投入しました。救援物資を積めるであろうヘリから降りてきたのは、銃を持った自衛隊員…。違和感を覚えたのは筆者だけでしょうか▼「初動が遅い」という批判の根底には、岸田政権に対する国民の信頼の喪失があります。命を助けること、助かった命を守りぬくことは政府の責任です。


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