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2024年1月9日(火)

主張

ジェンダー平等

すべての人により良い未来を

 「ジェンダー平等は女性に対する特別扱いではありません。すべての人により良い未来を確保する上で基本的なものだからです」

 国連のグテレス事務総長が昨年9月の国連総会で行った演説の一節です。格差と貧困、紛争や気候危機の解決のためには、意思決定の場に女性の参加が必要―。そういう信念のもとで国連は、上級職をはじめシステム全体で男女比を同率にする実践を積み重ねています。2024年、世界でも日本でもあらゆる取り組みの中で、ジェンダー平等の観点が貫かれる年にしようではありませんか。

国の内外で大きな流れに

 能登半島地震が甚大な被害を広げています。災害対応でジェンダー平等の視点は不可欠です。安全で人権が守られる避難所の設置・運営などさまざまな対策での女性の意思決定への参加が重要です。

 日本では、ジェンダー平等が世界の中でも大きく立ち遅れています。国会議員に占める女性の比率も、男女賃金格差も、主要7カ国(G7)で最低、最悪です。

 今年は女性差別撤廃条約が国連で採択されてから45年です。日本政府は1985年に同条約を批准したにもかかわらず、具体化・実施にまともに取り組みませんでした。そのことが今日の遅れた事態を招いています。

 今年9~10月、国連の女性差別撤廃委員会では日本政府が提出するリポートについて定期報告審議が行われます。条約の実効性を保つため、個人が条約違反を国連に通報し調査を求めることができる選択議定書を日本はいまだに批准していません。209の地方議会が批准を求める意見書を可決しています(昨年10月末、女性差別撤廃条約実現アクション調べ)。定期報告審議までに政府が批准を決断することが強く求められます。

 いまジェンダー平等と女性の権利を巡り、大激動というべき歴史的変化が国内外で起きています。

 日本では、男女賃金格差を企業に公開させる制度が実現し、格差解消への一歩を踏み出しました。性暴力の根絶に向けて刑法が改正され、不同意性交等罪が創設されました。同性婚や性別変更の手術要件を巡って当事者に寄り添う画期的な司法判決が続いています。選択的夫婦別姓を求める運動、LGBTQ+など多様な性を認め合う社会にむけた動きが大きな流れとなっています。

 世界の動きはさらに劇的です。「イコール・ペイ」(同等の報酬)を求める声が広がり、一昨年は女子サッカーのアメリカ代表チームが裁判闘争を経て男子代表と同額の報酬支払いを勝ち取り、世界の女性に希望を広げました。「中絶の禁止」を押し付ける右派勢力に対し、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を掲げた反撃が各国で巻き起こっています。

女性の世界史的復権

 世界経済フォーラムのランキングで「ジェンダー平等世界一」のアイスランドでは昨年10月、首相も参加して、賃金格差解消や性暴力根絶を掲げた女性の大規模なストライキが行われました。

 今日の世界は「女性の世界史的復権」(日本共産党第29回大会決議案)とも呼ぶべき時代を迎えています。女性のみならず人類すべてにとっての偉大な進歩です。ともにこの道を推し進めましょう。


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