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2024年1月5日(金)

党の値打ち胸を張って語り、第29回党大会の歴史的成功を

2024年党旗びらき 志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長が4日の2024年党旗びらきで行ったあいさつは次のとおりです。


 みなさん、おはようございます。インターネット中継をご覧の全国のみなさんに、2024年の年頭にあたって、心からの連帯のあいさつを送ります。

能登半島地震災害――被災者支援に全力をあげよう

写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=4日、党本部

 元日の午後4時すぎ、石川県能登半島を震度7の地震が襲いました。揺れは広範囲に及び、家屋の倒壊があいつぎ、大きな火災が発生し、津波も広範囲にわたりました。死者は現時点で78人に及び、3万人を超える方々が避難を強いられています。

 私は、まず、亡くなられた方々に対して心からの哀悼の意を表するとともに、被害にあわれた方々に心からのお見舞いを申し上げます。被災地の現場で奮闘している同志のみなさんに心からの連帯のあいさつを送るものです。

最優先にすべきは人命救助と被災者救援

 日本共産党として、地震発生後ただちに「2024年能登半島地震災害対策本部」を設置し、2日には、石川県、富山県、新潟県の代表者にもオンラインで参加していただいて対策本部会議を開き、当面する活動について確認しました。

 まず何よりも急がれるのは、人命救助と被災者救援であります。懸命の救出活動が行われていますが一刻を争って人命救助を行うこと、避難者や被災住民に対して温かい食べ物・水・トイレ・必要なケアが行き届くようにして、二次被害を出さないこと、医療機関と介護施設に対して水の確保をはじめ命を守るための緊急対策を行うこと、水道や電気などライフラインの復旧に全力をあげることを、政府に対して強く求めるものです。

被災者の切実なニーズにこたえた活動、救援募金のとりくみを

 党としてのとりくみとしては、対策本部会議で以下の点を確認し、行動を開始しています。

 まず、被災された方々の切実なニーズをつかみ、ニーズにこたえた活動にとりくむことであります。すでに現地の党組織のみなさんは、自ら被災しながら、被災者の命を守る活動、党員と支持者の安否確認と救援の活動を開始しています。2日の対策本部会議では、石川県の秋元(邦宏)県委員長から、「志賀町の中谷松助町議は、区長でもあり、まわりの家が高齢者も多いなか、区の集会所に声をかけて誘導している。輪島市の鐙(あぶみ)史朗市議は、地震による倒壊被害が多い地域で、大津波警報を受けて倒壊した家屋の近所の人々を避難所に誘導し、ご本人はご両親と一緒に車のなかで避難した」などの報告も寄せられました。党として、民主団体のみなさんとも協力し、不安と寒さのなかで避難されている方々に、「お困りごとはありませんか」と尋ね、解決できることはその場で解決するとともに、行政の支援につなげていく活動に全力をあげてとりくむようにしたいと思います。

 昨日、能登の現地に、井上哲士参議院議員、藤野保史前衆議院議員が佐藤正幸県議とともに入り、現地党組織のみなさんと力をあわせて、被災者のニーズにこたえた活動を開始しています。輪島市の坂口茂市長にお会いして実情をうかがったところ、避難者が1万人以上いるにもかかわらず、2000食分しか食事が届いていないという訴えがあり、改善を政府・自民党にただちに求めるというとりくみを行ったことを報告しておきたいと思います。

 いま一つは、救援募金にとりくむことであります。被災地の人的、物的、経済的被害がたいへんに大きなものがあるもとで、日本共産党中央委員会として救援募金への協力を広く訴えます。すでに救援募金活動が、全国各地で開始されており、党本部には、すでに150万円の募金が寄せられております。本日の「党旗びらき」の後には、全国いっせいに救援募金にとりくむようにしたいと思います。党本部としてもこの後、新宿駅東南口で救援募金を行います。お預かりした救援募金は、日本共産党の政治活動のための資金と区別し、全額を被災者救援、被災自治体への義援金として責任をもってお届けいたします。救援募金活動への全国のみなさんのご協力を心から訴えるものであります。(拍手)

政府への緊急要求――住宅再建、産業支援、原発の問題について

 そのうえで、次の3点を政府に対して強く求めていきたいと思います。

 第一は、家屋の倒壊が激しいことを踏まえ、住まいの確保に全力をあげることであります。この点で、住宅再建支援法の拡充は文字通りの急務です。外見が無事なように見えても、内部の破損がひどく、住めなくなっている住宅も多数あります。支援対象を、全壊や大規模半壊だけでなく、半壊や「一部損壊」に広げるとともに、支援額を抜本的に引き上げることを強く求めます。また当面、ホテルや旅館、公営住宅などを「みなし仮設」として確保することを求めます。

 第二は、地域の産業に対する復興支援であります。輪島塗などの伝統産業の老舗が延焼し、大被害を受けています。観光産業への打撃も甚大です。融資ではなく、営業に対する直接支援を思い切って行い、地域の産業を守りぬくことが必要であります。インボイスの免除はもちろん、思い切った税と社会保険料の免除を行い、事業者が「続けていける」と希望がもてる施策をとることを強く求めるものです。

 第三は、原発の問題であります。能登半島に立地する志賀原発では、外部電源が一部使えない、配管が壊れて絶縁や冷却のための油が漏れ出す、使用済み核燃料プールの水が一部床面にあふれ出るなどの深刻なトラブルが起こりました。原発で起こったトラブルの詳細を明らかにすることを求めます。能登地方では2020年12月から地震活動が活発化しており、昨年5月には最大震度6強の地震が発生しています。わが党はすべての原発を廃炉にすることを求めますが、とりわけ志賀原発、柏崎刈羽原発を廃炉にすることを強く求めるものであります。

 その時々の国民の苦難軽減のために奮闘することは、今年で創立102年を迎えた日本共産党の歴史を貫く立党の精神です。全国のみなさん。この精神を発揮し、草の根の力をフルに発揮して、被災地と被災者支援に全力をあげようではありませんか。(拍手)

歴史的党大会の成功へ――「党勢拡大・世代的継承の大運動」の飛躍を

 歴史的な第29回党大会が目前に迫りました。「党勢拡大・世代的継承の大運動」についてのべたいと思います。

昨年12月の「大運動」の成果と、大会決議案の全党討論について

 昨年12月は、全党の大奮闘で、695人の新しい党員を迎え、「大運動」の6カ月通算で新入党員は3955人となりました。私は、日本共産党の一員として、新しい人生の一歩を踏み出した全国の同志のみなさんに、心からの祝福と歓迎のメッセージを送ります。(拍手)

 昨年12月の「しんぶん赤旗」の読者の拡大は、日刊紙893人の前進、日曜版2231人の前進、電子版85人の前進となりました。全国のみなさんの大奮闘のたまものであり、「しんぶん赤旗」を支え、広げていただいている全国の読者、後援会員、党員のみなさんに、心からの感謝を申し上げるものです。

 いま、党大会に向けて、党大会決議案を練り上げる全党討論が行われています。これまでに、全国の支部で支部総会が行われ、全国311のすべての地区で党会議が開かれました。今月8日までには、すべての都道府県党会議が開催され、党大会代議員の選出が行われる予定となっています。いずれの会議も、熱心かつ率直な討論で党大会決議案を練り上げるとともに、国民の苦難軽減に献身し、社会進歩をめざして活動し、「大運動」成功に向けて奮闘する草の根の支部と党員の発言で、熱気あふれる会議として成功しています。大きな感動を広げている党大会決議案をすべての党員に届け、読了し、討論で練り上げる活動に最後まで力をつくすことを訴えるものであります。

 「大運動」の期日は1月末までです。党づくりの根幹である党員拡大の飛躍をはじめ、党勢拡大の飛躍的なうねりをつくりだして歴史的党大会を迎えようではありませんか。党大会期間中も特別の体制をとってとりくみをさらに発展させ、「大運動」の目標総達成に向けて最後まで頑張りぬく決意を、年頭にあたって固めあおうではありませんか。(拍手)

「崩壊寸前」から「130%の党」へ――「手紙」と「返事」から支部の変化が

 大会決議案は、この間の全党の奮闘によって、「双方向・循環型の活動の新たな開拓」「世代的継承のとりくみの意識化」という二つの点で、「前進をつくりだす足がかり」をつくっていることをみんなの確信にして、党大会に向け奮闘することを呼びかけました。

 私は、年頭にあたって、この二つの点での前向きの変化に着目し、全党の流れとして豊かに発展させる年にしていくことを訴えたいと思います。

 「双方向・循環型の活動の新たな開拓」という点で、昨年1年間の全党のとりくみは、今後に生きる豊かな展望を開くものとなりました。昨年1月に開催した第7回中央委員会総会で全国の支部・グループに「手紙」を送り、「手紙」への「返事」が寄せられ、6月に開催した第8回中央委員会総会で「返事」から導きだした法則的活動の教訓をまとめ、一連の会議や講座で全国の経験を学びあい、10月に開催した第9回中央委員会総会で「第二の手紙」を支部・グループに送る――昨年1年間は、中央委員会と支部、党機関と支部とが双方向で学びあい、党づくりの探求・開拓をすすめた1年間でした。

 この運動は、まだ全国的な党勢の飛躍的前進をつくりだすにはいたっていませんが、1年前には想像もできなかった躍動的な発展をとげた支部が、全国各地で生まれていることは、大きな希望であります。

 その一つとしてきょう紹介したいのが、広島市安佐北区の亀山支部です。亀山支部は、7中総の「手紙」に対して2月に寄せた「返事」で、「崩壊寸前」との率直な思いをつづった支部でした。数年前から月1回の支部会議も困難となり、党勢拡大もなかなか進まず、配達・集金を支えていた党員が病に倒れ、困難が拡大しました。「手紙」の討議では、「支部の状況を中央は少しも分かっていない」との発言も出されました。しかし「手紙」は支部にとっての転機となりました。支部長さんは、「手紙」の切実な訴えが「みんなの心に響いた」といいます。「異論を許さない党」といった党に対する事実にもとづかない非難――不当な攻撃に対して、党がきっぱりと反論したことも「私たちの心を大きく揺り動かしてくれた」といいます。

 こうして「手紙」への「返事」を書き、新たな出発を開始した亀山支部は、統一地方選挙の広島市安佐北区で、前回4票差で悔しい結果となった清水てい子市議候補の勝利へと奮闘、初当選をかちとります。この結果にも励まされて、月1回の支部会議を月2回に増やし、「しんぶん赤旗」見本紙を届け、清水市議と訪問する毎月の統一行動を開始し、「大運動」でもコツコツと「しんぶん赤旗」読者を増やしていきました。

 さらに支部の心を動かしたのは、9中総の「第二の手紙」でした。「党の現状は、いま抜本的な前進に転じなければ未来がなくなる危機に直面しているとともに、前進に転じる大きな可能性がある」――。この「第二の手紙」の訴えに、「確かにそうだ。いま党を大きくしなければ支部もなくなる。でも『前進に転じる大きな可能性がある』、ここに震えた」と支部長さんはいいます。「先人たちが命がけで主権在民、反戦平和を訴えたことを守り通そう」と決意を固め、支部会議を週1回にすること、読者・支持者に気軽に入党をすすめることを決めました。そしてみんなの力を結集し、10月、11月、12月と3カ月連続で党員4人を迎えて、党員と日刊紙読者で前回大会時を回復、日曜版読者では130%を達成しました。「崩壊寸前」だった支部が、1年間で今生まれ変わろうとしています。

 こうした経験は、全国各地で生まれています。1年間にわたる「手紙」と「返事」のとりくみは、双方向・循環型で、互いに学びあい、自発的な知恵と力を結集するならば、困難はあっても、必ず現状を変えることはできることを示しているのではないでしょうか。全国のみなさん。この流れを全支部・全党員の流れに発展させ、「大運動」の飛躍的うねりのなかで党大会を大成功させようではありませんか。(拍手)

高校1年生が見た日本共産党――インターンシップを通じて民青同盟に加盟

 「世代的継承のとりくみの意識化」という点でも、希望ある変化が生まれています。11月に開催された民青同盟第47回全国大会は、年間拡大目標を2年連続で突破し、1年間で2778人の新しい仲間を迎えて歴史的成功をおさめました。私も参加して、新しい仲間を迎える喜びで沸きに沸いた大会となり、さらなる前進への固い決意が語られた大会になっていることを感じ、本当に心強く思いました。学生党員の現勢調査で、3年連続で前進したことも重要であります。これらの変化は、決して偶然のものではありません。それは若い世代のなかで党と民青をつくる歴史的チャンスが生まれていることを示すものにほかなりません。

 関東のある地区委員会での経験を紹介したいと思います。この地域のある高校1年生が、学校の授業の一環として、党の地区委員会で3日間、インターンシップ(職業体験)を行い、11月に学校で「報告会」を行いました。インターンシップに共産党を選んだのは、「共産主義に興味があり、日本の共産党がどんな活動をしているのか体験したかったから」だといいます。インターンシップの初日に地区常任委員が、「日本共産党はどんな政党か」と講義したところ、20を超える質問を準備してきました。その後、県議会議員と労働組合との懇談に同席し、夕方には「地区ニュース」の印刷とポストおろしを体験。地域支部の支部会議も見学し、「支部活動で楽しいことはなんですか?」「なぜ共産党に入ったのですか?」「今後の党はどうなってほしいですか?」など質問が出され、支部のみなさんがそれぞれ答えました。食料支援活動や宣伝活動にも参加しました。

 この高校生が、後日、こういう感想文を寄せてくれました。紹介します。

 「とても楽しく、貴重で、知的興奮に震えるインターンシップでした」「3日間のインターンシップで、私はたくさんのことを見て、知ることができました。共産主義には高度な生産力と民主主義が重要であること、共産党はトップダウンの政党ではなかったこと、党員たちは高齢になっても勉強を続けていること、議員は市民の声を聞いてそれを市政・県政に反映していること」「さらに『何でも答える』という言葉通り、私がする質問になんでも答えてくれたのには、とてもうれしく思いました。気になることがどんどん解決していくこの爽快感はとても心地よく、インターンシップ先に日本共産党を選んで良かったと、心から感じました」

 こういう感想が寄せられてきました。

 11月、学校で「校内報告会」があり、そこでこの高校生は7分間のプレゼンテーションを行いました。「共産主義社会実現へ 共産主義者がすべきことは?」というテーマの発表で、「共産主義社会は高度な生産力と徹底した民主主義が必要」と報告し、議員の調査活動、食料支援、宣伝などの体験を説明し、「何でも反対の党」に対置させ、「市民や学生の苦しみに寄り添う草の根の政党だった」と報告しました。最後には「私たちに何ができる?」と問いかけ、「民主青年同盟などの学生団体に加入」「署名・デモ・学生運動に参加」「身近な民主主義(学校なら生徒会)を大切に」とまとめたといいます。

 こういう経過をへて、12月10日に地区の事務所で、「若者タウンミーティング」の視聴会に参加して、「自分の関心がある問題が出てきてとても興味がわいた」として民青同盟に加盟したとのことであります。(拍手)

 これは、若い世代が、曇りのない澄んだ目で党の姿を見たとき、党の綱領、歴史、活動の全体が、若い世代をひきつける魅力を持っていることを示す、すてきな一例ではないでしょうか。とくにこの若者が「共産主義」への関心・魅力を語っていることが大切なところだと思います。大会決議案は、「人間の自由」とのかかわりで、党綱領の社会主義・共産主義論を発展させましたが、私は、こうした新しい解明が若い世代に共感を広げることは間違いないと確信するものであります。

 全国のみなさん。今年を、若い世代への私たちの事業の継承という点でも、大きな前進を刻む年にしていこうではありませんか。党大会に向けた「大運動」の目標をやりぬき、「数万の民青」「1万の青年・学生党員」実現の「5カ年計画」の本格的な実践を開始する年にしていこうではありませんか。(拍手)

激動の情勢のなかでの日本共産党の値打ち――つよく大きな党をつくる大きな条件

 最後に、お話ししたいのは、世界と日本の動きに大きく目を向けるならば、いまつよく大きな党をつくる大きな条件が広がっているということであります。激動の情勢のなかで日本共産党の値打ちが輝いていることを、三つの事例で訴えたいと思います。

「外交ビジョン」――ASEANの努力と深く響きあい、豊かにされた

 第一は、一昨年の「党旗びらき」で提唱した東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」の生命力についてであります。

 昨年末、日本共産党代表団が、東南アジア3カ国――インドネシア、ラオス、ベトナムを訪問しました。東アジアの平和構築、とくに東南アジア諸国連合(ASEAN)が提唱しているASEANインド太平洋構想(AOIP)の成功というテーマに焦点をあてて、私たちの「外交ビジョン」をさらに豊かなものにしたい、可能な協力を探求してきたい――これが訪問の目的でしたが、毎日が新しい発見と感動の連続であり、一日一日、さまざまな方々と会談するたびに新しい視野が広がった訪問になりました。ASEANの国ぐにが、域内で年間1500回もの会合を開くなど、良い“対話の習慣”を育み、それを東アジア全体に広げようとしている生きた姿をつかむことができました。

 訪問の一部始終を、1日付の「しんぶん赤旗」に「新春緊急報告」という形でお伝えしました。私たちの発見と感動を読者のみなさんにも「追体験」していただこうと、時系列で、私たちの認識の発展も含めて率直にお話ししたもので、訪問の詳細は「緊急報告」をどうかお読みいただければと思います。

 きょう強調したいのは、私たちが訴えてきた「外交ビジョン」――ASEANと協力して、AOIPを共通の目標にすえ、東アジアサミット(EAS)を活用・発展させて、東アジアを戦争の心配のない平和な地域にしていくという方向が、東南アジアで平和の地域協力の発展のために努力している人々から歓迎をもって受け止められたということであります。

 私たちは、今回の訪問の対話用にと「日本共産党とASEANの平和のとりくみ」と題するごく簡潔なこういう資料をつくりまして、私たちのとりくみを紹介しました。インドネシアのASEAN本部で行った意見交換では、党の「外交ビジョン」について、地域の平和と安定を促進するASEANと同じ線に沿っているもので高く評価するという反応が返ってきました。ラオスとベトナムで、それぞれの政権党の党首との会談で、協力してAOIPを成功させていこうということが確認されたことは重要であります。日本共産党が提唱した「日中両国関係の前向きの打開のための提言」に対しても、共通して高い注目や評価が寄せられたことを、報告しておきたいと思います。

 同時に、今回の訪問をつうじて、党の「外交ビジョン」そのものも、AOIPを成功させること自体とともに、北東アジアが抱える諸懸案を積極的に解決していくという「二重の努力」にとりくむという形で発展させる重要性を認識することができました。

 全国のみなさん。私たちが主張してきた「外交ビジョン」が、ASEANの行っている努力に深く響きあい、さらに豊かにされた――そのことに大いに確信をもって、この希望ある平和の対案を、大いに語り広げようではありませんか。(拍手)

「経済再生プラン」――自民党の政策破綻との対比で、いよいよ力を発揮

 第二は、昨年9月に発表した「日本共産党の経済再生プラン」が、「失われた30年」をもたらした自民党政治に抜本的に切り込む政策提言として、いよいよ大きな力を発揮しているということであります。

 このことは、岸田政権の「税」をめぐる迷走と矛盾との対比でも鮮やかです。自民党が昨年12月に決定した「自民党税制改革大綱」では、法人税引き下げ政策の失敗を自ら告白する次のような内容がのべられています。

 ――日本の法人税率は、「これまで約40年間にわたって段階的に引き下げられ、現在の法人税率は最高時より20%ポイント程度低い23・2%となっている」こと、

 ――これにより「企業経営者がマインドを変え、内部留保を活用して投資拡大や賃上げにとりくむことが期待された」こと、

 ――しかしながらそれは実現せず、「賃金や国内投資は低迷」し、「企業の内部留保は555兆円と名目GDPに匹敵する水準にまで増加」したこと、

 ――「こうした状況に鑑みれば、……近年の累次の法人税改革は意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ない」こと、などであります。

 こうした分析にたつならば、長年続けてきた「法人税減税=消費税増税」という方針を根本的にあらためることこそ、当然の道理ではないでしょうか。ところが消費税減税に対しては問答無用で拒否し、来年度政府予算案でやろうとしていることは、あいも変わらぬ大企業や富裕層への減税のバラマキです。これを政策破綻と言わずして何というのか。「税」の面でも、この政権に日本の政治のかじ取りをする資格はないと言わなければなりません。

 「日本共産党の経済再生プラン」は、「暮らしを守り、格差を是正する」という税・財政の本来の姿を取り戻す立場にたった抜本的改革を提案しています。富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税を減税することこそ、「暮らしを守り、格差を是正する」うえで最も道理ある政策であることを、新しい年にも、大いに語り広げようではありませんか。(拍手)

裏金疑惑を最初にスクープした「しんぶん赤旗」と党の値打ちを大いに広げよう

 第三は、自民党の底知れない裏金疑惑を最初にスクープした「しんぶん赤旗」に対して、大きな注目と評価が寄せられていることであります。

 昨年12月、東京地検特捜部は、安倍派と二階派の事務所を捜索するなど強制捜査を開始しました。政治資金パーティーをめぐる金権腐敗問題が、政権中枢を直撃する大問題に発展しています。裏金システムは、安倍派や二階派だけでなく、岸田派、麻生派も含めて、自民党全体が組織ぐるみで行ってきたものであり、その全容を徹底的に究明するために引き続き全力をあげる決意を、年頭にあたって表明したいと思います。(拍手)

 この疑惑追及を最初に行ったのは、2022年11月6日の「しんぶん赤旗」日曜版のスクープだったことが、インターネットテレビから、テレビ、新聞までいま大注目であります。東京新聞の昨年12月31日付に掲載された田中優子・法政大学名誉教授・前総長のコラム「時代を読む」を紹介したいと思います。

 「年末になって次々と明らかになってきた自民党派閥パーティー券を巡る裏金も、酷い問題だ。…誰も気づかなかったが、1年以上前、昨年11月6日の『しんぶん赤旗』がスクープした。このとき、他の報道機関はほとんど取り上げなかった。しかしその調査結果を見た神戸学院大学の上脇博之教授は『これはすごい』と仰天した、と『Arc Times』で語っている。大変な手間のかかる調査をやり遂げたことに驚いたのだ。そしてその調査をもとに、上脇教授は政治資金規正法違反(不記載)容疑で東京地検に刑事告発した。それをもとに特捜部が動いたことで、他のメディアはようやく報道を始めたのである。酷いニュースが多い中で、ジャーナリストの調査と市民の告発の連携が政治家の不正を追い詰めたことには、希望が持てる。私たち市民は一層、ジャーナリストと深く連携していかねばならない。そう思うと、ようやく年を越せる気がしてくる」

 まさに国民に、政治を変えることはできるという「希望を運ぶ」新聞が、「しんぶん赤旗」であります。

 そして、「しんぶん赤旗」がそうした働きができるのは、この新聞が、結党以来102年間にわたって、企業・団体献金と一切無縁な党――日本共産党の機関紙であるからだということを私は強調したいと思います。全国のみなさん。このかけがえない国民的なメディアの値打ちを胸を張って語り、国民のなかに大いに広げる年にしていこうではありませんか。頑張りましょう。(拍手)

党の値打ちを胸を張って語り、「大運動」をみんなの力でやり抜こう

 「外交ビジョン」でも、「経済再生プラン」でも、金権腐敗追及でも、日本共産党の値打ちが光る情勢が広がっています。党の値打ちを胸を張って語り、「党勢拡大・世代的継承の大運動」をみんなの力でやり抜き、第29回党大会を歴史的成功に導き、来たるべき総選挙で必ず躍進をかちとることを誓いあって、年頭にあたってのあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(拍手)


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