2024年1月4日(木)
「核禁条約」6年連続採択
国連決議 加盟国の6割が賛成
日本は具体的な行動迫らず
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【ワシントン=島田峰隆】第78回国連総会は昨年12月4日の本会議で、軍縮・国際安全保障問題を扱う第1委員会に付託された56本の決議を採択しました。そのうち主に核兵器を扱った決議は21本で、3本が無投票で採択され、残りは採決に付されました。核兵器関連の主な決議の採決結果は別表の通りです。
決議「核兵器禁止条約」は6年連続で採択されました。国連加盟国の約6割が賛成しました。
決議は核兵器禁止条約に未参加の国に「可能な限り早く」参加するよう求めています。2022年6月にウィーンで開かれた第1回締約国会議が宣言と行動計画を採択し、条約の具体化として科学諮問グループが設立されたことを歓迎。締約国会議に未参加国や国際機関がオブザーバー参加したことも歓迎しました。
核保有国はそろって反対し、米国の核の傘のもとにある欧州諸国なども反対しました。
米国の同盟国であってもオーストラリアは前年同様、棄権しました。同国は22年の政権交代を受けて、反対から棄権に回るようになりました。また前年に反対したボスニア・ヘルツェゴビナは今回棄権しました。
決議「核兵器の人道的結果」は2015年以来、9年連続で採択されました。「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことが人類の生存の利益になる」として核兵器廃絶を求めています。
決議「核兵器のない世界への道徳的な責務」も9年連続での採択です。「核兵器は集団的な安全保障を弱め、核の破滅の危険を高め、国際的な緊張を激化させ、紛争をより危険にする」としています。
日本政府が毎年提出している核兵器関連決議も採択されました。
決議は核兵器禁止条約について採択と発効、締約国会議の開催を事実として述べるにとどめています。核保有国に「全面廃絶を待つ間、核兵器が二度と使われないようあらゆる努力を行うよう促す」とするだけで具体的な行動は迫っていません。
日本の決議は16段落にわたって個別の採決の要求が出されました。決議に多くの国が批判や不同意を持っていたことが示されました。
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