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2024年1月1日(月)

主張

2024年の幕開け

自民党政治に終止符打つ年に

 「政治とカネ」で岸田文雄政権への国民の批判と怒りが渦巻く激動の中で、2024年が幕を開けました。自民党最大派閥・安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金事件では、政権中枢の幹部が軒並み辞職に追い込まれ、検察の事情聴取まで受ける前代未聞の事態となっています。国民の不信は、機能不全に陥っている岸田政権だけでなく自民党全体に向けられています。「カネの力」で動く政治と決別し、国民本位の清潔な政治へ抜本的に転換することが急務です。

「金権」温存拡大の30年

 30年前の1994年1月、細川護熙政権と野党・自民党が「政治改革」関連法を成立させました。1980年代末からリクルート事件、ゼネコン汚職などが続発し、金権腐敗政治の一掃が当時の焦眉の課題でした。しかし「政治改革」の名で強行されたのは、民意をゆがめる小選挙区制の導入であり、政党が国民の税金を山分けする政党助成金の創設でした。

 政治と財界の癒着の温床である企業・団体献金は政治家個人に対しては禁止されたものの、政党には容認されました。企業・団体がパーティー券を購入することも禁じられませんでした。この抜け道を使い、パーティー収支に関して違法なキックバック(還流)と裏金づくりがシステム化され、根深い腐敗構造をつくり出したのです。現在噴出している政治資金を巡る事件は一時的・偶発的なものでなく、自民党の体質そのものです。「政治改革」の看板で金権政治を温存する仕組みを維持し、パーティーによるカネ集めという錬金術によって、汚れた政治をいっそう拡大させた責任は重大です。

 「公費助成(政党助成金)が実現したら企業献金は本当は廃止しなきゃ絶対におかしい」。衆院が12月27日に公開した元衆院議長・河野洋平氏の口述記録の一節です。

 同氏は94年の「政治改革」関連法成立時の自民党総裁でした。河野氏は、同関連法は「生煮え」だったなどと反省も込め、「政治とカネ」問題が後を絶たない政界の現状を「麻痺(まひ)状態」と指摘しました。経団連が会員企業などに自民党への献金を呼びかけている点についても、「企業献金が多いから税制をはじめとしていろいろな政策がゆがんでいる。庶民から企業の方へ政策のウエートがかかって…本当におかしい」と語っています。

 経団連は国民の批判を浴び、自民への献金を会員企業に促すことを控えた時期もありましたが、現在復活させています。経団連の十倉雅和会長は、毎年行われている自民党側への多額の企業献金について「一種の社会貢献」(12月4日の記者会見)と主張し、当然視しました。財界・大企業が巨大な財力によって自己の利益をはかるために政治を動かしてきたことに反省がないのは大問題です。

力を合わせ「夜明け」を

 日本経済が「失われた30年」に陥ったのは、法人税を減税する一方、消費税増税を繰り返すなど大企業を優先し、国民生活を切り捨ててきた政治によるものです。財界と癒着した自民党政治を終わらせなくては、未来は開けません。

 大企業に左右される政治を切り替えることは、国民が主人公の民主主義を実現するための重要な課題でもあります。新しい年、政治の「夜明け」を実現するために力を合わせましょう。


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