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2023年12月26日(火)

知りたい聞きたい

トランスジェンダー問題と女性の安全どう考える

 Q 「トランスジェンダーの権利擁護を進めると、女性の安全が脅かされるのでは」という声を聞きました。日本共産党は、どう考えていますか?(一読者)

女性や多様な性を生きる人たちが安心して生きられる社会を目指す共産党

 A 性自認は個人の尊厳に属するもので、人権として尊重されるべきものです。10月、最高裁大法廷が法律上の性別を変更するために生殖機能をなくす手術を義務づけるのは違憲との判断を示すなど、社会も性自認を尊重する方向に進んでいます。

 しかし今、「トランスジェンダーの権利を認めると『心は女性』と主張する男性が女子トイレに入ってくる」などの言説が広まっています。日本共産党は、こうした言説は当事者を深く傷つけ、事実にも反すると考えています。

 トランスジェンダーの当事者は、トイレや更衣室、浴場など明確に男女に分かれた施設を使う際には、自分がそこにいて違和感がないかを誰よりも気遣っています。そうした方々が差別や偏見に遭う不安を感じることなく生きていけるために、トイレなど公共スペースのあり方はどうあるべきかを考えていくことこそ必要です。それなのに男性器の有無や手術済みかどうかなどが問題視され、安全を脅かす存在であるかのように言うことは、当事者を傷つけています。

 「トランス女性のふりをして性犯罪目的で女性トイレに入る人がいる」という主張もありますが、それは犯罪をおかすその人が悪いのであり、属性を丸ごと排除の対象にすることは問題です。

 同時に、偏見や差別をあおる情報を意図的に流し運動を分断しようとする人と、それに影響され不安になっている人とは区別する必要があります。不安をあおられている人をすべて「差別者」と決めつけることは、反発と分断を生むだけで解決につながりません。

 女性たちが安心・安全を望むのは当然です。性暴力への不安や恐怖、過去の被害からくるトラウマなどを社会が深く理解し、女性が安心・安全にトイレなどの施設を利用できるよう力を尽くすべきです。

 性暴力や性犯罪をなくし、女性が安心して生きられる社会を目指すことと、多様な性を生きるすべての人たちが差別や排除されることなく安心して生きられる社会を目指すことは、決して対立するものではありません。日本共産党は、その両方を目指していく立場です。


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