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2023年12月20日(水)

科学を基に協議促す

学術会議会長 法人化案に反論

 国の特別の機関である日本学術会議の法人化案を議論している政府の有識者懇談会に対し、学術会議の光石衛会長は18日、結論ありきで根拠に乏しいと反論し、科学に基づく協議を求める「見解」を提出しました。有識者懇は13日に、法人化が望ましいとする論点整理を提示。年内にも中間報告をとりまとめる予定です。

 光石会長の見解は、現行法は、学術会議が国の特別の機関として政府の中にありながら高い独立性が制度的に保障され、国への助言機能の実効性が確保される仕組みで、「日本独自の知恵」だと強調。論点整理が求める「国民の総意」に基づく組織であるためには、現行通り国の機関として設置するのが自然だと述べています。

 独立した立場から政府に助言するには「そもそも政府の機関であることは不適切」という論点整理の主張に対しては、これまでも独立した助言を行っており、「不適切」で容認できないと批判。また、「科学」を「技術」と狭く捉える見方が散見され、学術の多様性を損なうと懸念を表明しています。

 財政基盤の強化については「大幅に後退した内容」だと強調しています。学術会議は特定の利害から中立であることが重要で、論点整理が財政基盤の多様化のために産業界や特定のメディアから対価を得ることを提起しているのは「不適切」だと批判。経費を政府負担とする現行法の仕組みは、学術会議の公益性を徹底したもので合理性があると述べています。

 現在の組織体制では会員が公務員であるため首相の任命行為が「避けられない」との言及に対しては、首相の任命行為なく会員になる制度設計は可能だと指摘。首相が理由も示さず任命拒否するという、法が想定しない事態が起きなければ、現行法の仕組みに何ら問題はないと反論しています。


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