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2023年12月10日(日)

改悪狙われる国大法

大学が営利追求の場に

国立大学法人法「改正」に反対する学生有志呼びかけ人・東京大学3年生の思い

 大学自治を破壊する国立大学法人法改悪案に東大を中心とした学生有志が反対声明を発表し、600人以上から賛同を集めています。呼びかけ人の東京大学3年生に話を聞きました。(佐久間亮)


 大学に入ったら受験競争から解放され、短絡的な営利追求から切り離された環境のなかで腰を据えて勉強したいと思っていました。ところが、学内の掲示板には会社を起業するための講習や投資の案内が張られ、就職競争に追い立てる雰囲気もあります。生活のためのアルバイトに追われ、学費が下がればアルバイトを減らせるのにと語る友人もいます。

 学内施設の使用に高い利用料がかかるため、安い公共施設を探して活動しているサークルもあります。廃止された学生寮の跡地に建った図書館は、1階ラウンジの命名権が企業に売られる一方、電気代高騰を理由に閲覧スペースの一部が規制線で封鎖されたこともあります。

 性的マイノリティーはじめ、全ての人が安心して過ごせるキャンパスという点でも遅れています。

 法案には、大学が所有する土地の企業などへの貸し出し手続きの簡略化が入っています。いまでも十分とはいえない学生が自由に使えるスペースが、稼げる大学づくりによってさらに狭まるのではと心配しています。

 法案には、東大など5校に新たな合議体の設置を義務づけ、委員の選定を文科相の承認事項にするという、学問の自由を脅かす内容も入っています。自分の在籍している東大が標的になるもとで、抵抗の意思を示さなければいけないと考えました。

 インターネットで法案の問題を知り、友人らと相談し、仲間を広げ、11月半ばにネットワークを立ち上げました。国会議員にファクスを送るよう呼びかけるビラをキャンパス内で配り、声明を出し、セミナーも開きました。大学の行く末を案じている人が多くいることを知りました。廃案へ声を広げていきたいです。


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