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2023年12月9日(土)

第29回党大会決議案の用語・事項解説(下)

第2章

国連「気候野心サミット」

 ニューヨークの国連本部で2023年9月、気候危機打開の取り組みを加速させる目的で、グテレス国連事務総長が主催して開かれました。気候変動対策で先進的な政府や自治体、企業、市民社会の代表ら約40人が発言者として招かれ、「先行者と実行者」から学ぶことが趣旨でした。石炭火力からの撤退期限を示さない日本政府は、岸田文雄首相が出席してスピーチする準備をしていたものの、国連側に断られ参加しなかったと報道されています。温室効果ガス排出量が多いアメリカ、中国、インド、ロシアの政府トップも不参加でした。

 グテレス氏は冒頭の演説で「人類は地獄の門を開けてしまった」と強い言葉で警告し、島しょ国などから「もう余分な時間は残っていない」「化石燃料ほど大きな脅威はない」など危機感に満ちた発言が相次ぎました。

一部の極右的な人々からジェンダー平等に対する「バックラッシュ」(揺り戻し)

 国民のたたかいが広がり、社会が進歩しようとするとき、それを快く思わない勢力から起こるさまざまな妨害、抵抗を「バックラッシュ」と呼びます。

 性暴力・性搾取をなくすたたかいが大きく広がり、刑法改正(不同意性交等罪の創設)、困難を抱える女性支援法の成立など法整備が前進しました。このたたかいの中で大きな役割を果たした、若年女性が性産業に取り込まれることを防ぐ活動をしている団体に対し、2022年秋ごろから「公金を不正受給している」といったデマ攻撃が行われ、夜回り活動へのつきまといなどの直接的嫌がらせが発生しました。

 また、同性婚や性別変更要件に関する大事な司法判断が相次ぎ、LGBT理解増進法成立の機運が高まると、「この法律ができたら女性トイレに男性が入ってくるようになる」など、出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーへの差別と偏見をあおる言説が自民党の政治家らから流布されました。

障害者権利条約

 障害者の権利を実現するために国がすべきことを定め、障害者の人権や基本的自由を守るための条約。2006年に国連総会で採択され、日本は2014年に批准しました。

 第4条では「国は障害者に関する問題についての意思決定過程において障害者と緊密に協議し、障害者を積極的に関与させる」よう定めています。批准国として、中央機関、自治体などあらゆる障害施策の意思決定の場に、障害当事者の参加を位置づける責任があります。

 条約の根幹は「障害のない市民との平等の実現」です。

 障害(障壁)は障害者にあるのではなく、社会の側にある(社会/人権モデル)という考え方で、壁をなくすための適切な措置である「合理的配慮(バリアフリーなど)」を求めています。

(選挙活動の)「四つの原点」(『選挙活動の手引き』2023年版から)

 「四つの原点」は、日本共産党が第8回大会(1961年)いらい、鉄則としてきたもので、選挙戦の法則的な活動を示した方針であるとともに、「政策と計画」にもとづく支部の日常活動の方針でもあります。第21回大会(1997年)で、情勢の発展にそくして改定しました。

 (1)国民の切実な要求にもとづき、日常不断に国民のなかで活動し、その利益を守るとともに、党の影響力を拡大する。

 (2)大量政治宣伝と対話・支持拡大を日常的におこない、日本共産党の政策とともに、歴史や路線をふくむ党の全体像を語り、反共攻撃にはかならず反撃する。

 (3)「しんぶん赤旗」の役割と魅力をおおいに語り、機関紙誌の読者拡大をすすめ、読者との結びつきを強め、党を支持する人びとを広く党に迎え入れる。

 (4)さまざまな運動組織・団体のなかでの活動を強め、協力・共同関係を発展させる。日本共産党後援会を拡大・強化する。

第3章

「財政活動の4原則」

 (1)党費(2)機関紙誌収入(3)募金(4)節約――の4項目によって自前の党財政を確立・強化するという原則。日本共産党は、カネの力で政治を歪める企業・団体献金や、国民の政党支持の自由を侵害し、税金を政党が勝手に分け取りする政党助成金を受け取らず、自前の党財政を築く努力を続けています。この原則は、日本共産党が、大企業・財界の横暴勝手に立ち向かって国民の利益を守り抜く力の源になっています。

第5章

過去の一時期、党員拡大を事実上後景においやるという主体的要因

 第17回党大会8中総(1987年)は、それまでの「党建設・党勢拡大の根幹は党員拡大」という方針に、機関紙読者拡大を加えて、「党員拡大と機関紙読者拡大の二つの根幹」としました。この方針は第18回党大会(1987年)で大会決議として確認されました。この変更は当時、機関紙が後退してなかなか増勢に向かわなかったため、機関紙読者拡大に思い切って全党が力を入れようとしたものでしたが、結果的には、党員拡大が後景においやられることになりました。

 第22回党大会(2000年)決議は、この方針を、「一時期の党の方針のなかで、『党員拡大と機関紙拡大が二つの根幹』とされていたことがあったが、これは正確ではなかった。機関紙活動―読者の拡大、日々の配達・集金、読者とのむすびつきなどを担っている根本の力もまた党員であって、この力を大きくする努力がたりなければ、機関紙活動の発展もありえない」、「党建設・党勢拡大の根幹は、党員拡大である。根幹とは、党のあらゆる活動―国民の要求にこたえる活動、政策宣伝活動、選挙活動、議会活動、機関紙活動などを担う根本の力が、党に自覚的に結集した党員であるということである」と改めました。

 同時に、同大会への中央委員会報告は、「そのことは、機関紙活動の意義をいささかも軽視するものではありません」とのべて、「党員拡大は『根幹』、機関紙活動は『中心』―この位置づけを正確にとらえて」活動することを訴えました。


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