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2023年12月8日(金)

民間空港・港湾の軍事利用 29自治体・団体に説明

山添議員が要求した資料で判明

部隊展開で攻撃対象 水面下で協議

 政府が軍事利用を目的に滑走路や岸壁などを整備する空港・港湾について、9~11月に沖縄や九州、北海道を中心に29の自治体や管理組合を関係省庁の担当者が訪問し、説明していたことが分かりました。政府が日本共産党の山添拓参院議員の要求で外交防衛委員会に提出した資料から明らかになりました。軍事利用が進めば空港や港湾が攻撃対象となる上、訓練などで住民への負担が高まるのは避けられません。


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 政府は中国などを念頭に、空港や港湾を有事における部隊展開や、平時での訓練に利用しようと狙っています。整備には、空港や港湾を管理する自治体の合意が必要なため、協議を水面下で進めているとみられます。

 資料によると、米中軍事衝突の最前線となる沖縄・先島諸島を優先的に訪問。初回は9月29日に宮古島市を政府関係者が訪問。2回目は石垣市と、竹富島や波照間島などがある竹富町を、4回目は与那国町を訪れました。沖縄県内ではほかに、うるま市、沖縄市、久米島町、豊見城市、那覇市、浦添市で説明しました。

 九州では熊本、長崎、宮崎、鹿児島、福岡の各県に訪問。北海道では釧路市、留萌市、室蘭市などを訪れました。ほかにも高知、香川、福井の各県と広範囲にわたっています。

 沖縄県には11月6日に防衛省、国土交通省、内閣官房の担当者が訪問。県の担当者によると、政府側は「民生用としても使いやすくなる」と強調しつつも、空港や港湾を「デュアルユース(軍民両用)」として活用したいと説明。具体的な候補施設は示さなかったと言います。

 政府は安保3文書に、自衛隊が空港・港湾を円滑に利用できるよう整備すると明記しました。8月の関係閣僚会議では、軍事上必要性が高い施設を「特定重要拠点空港・港湾(仮称)」に指定し、整備する方針を提示。2024年度予算の概算要求で金額を明示しない「事項要求」として整備費を計上しました。


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