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2023年12月7日(木)

民間空港で72回離着陸

自衛隊戦闘機など 11月「統合演習」

爆音被害 保育園上空も

 11月中旬に民間空港で戦闘機の離着陸訓練が行われた「自衛隊統合演習」で、輸送機を含めた自衛隊機による空港への離着陸回数が少なくとも計72回に上ることが本紙の取材で分かりました。


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(写真)キーンと音を立てて岡山空港に着陸するF2戦闘機=11月15日、岡山市

 同演習では、「対中国」を念頭に、敵基地攻撃能力の行使への反撃を受けるなどして自衛隊基地が使えなくなり、戦闘機を空港に退避させる事態を想定。戦闘機による離着陸訓練や燃料補給を実施しました。使用されたのは岡山空港(岡山市)、大分空港(大分県国東市)、徳之島空港(鹿児島県天城町)、奄美空港(同県奄美市)の4カ所です。岡山、大分などでは、市民らが空港の軍事利用化に抗議しました。

 離着陸回数の内訳は岡山で15回、大分で16回、奄美で18回、徳之島で23回でした。そのうちF2またはF15戦闘機による離着陸は岡山12回、大分16回、奄美12回、徳之島8回に上りました。

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 戦闘機による訓練は爆音を起こし、周辺住民に被害を及ぼしました。岡山空港では11月15~17日に訓練を実施。空港南西側の滑走路から約3キロに位置する「足守もみの木保育園」(岡山市)では、16日午後3時すぎに園舎の真上をF2が飛行しました。目撃した事務職員の角南(すなみ)朋一さん(64)は「ものすごい爆音で、園庭でサッカーなどをして遊んでいた子どもたちが恐怖で中へ走ってきた。うちは園庭が広いので声をかける暇もなかった」と語ります。

 また、訓練日程などの連絡が事前になかったため、岡山県などに問い合わせたところ、連絡があったのは訓練前日の14日昼だとして、「できるだけ知らせないようにするやり方でひどい」と憤ります。「戦闘機が真上を飛ぶ日が来るとは思わなかった。空港を使った訓練はやめてほしい」と語気を強めました。

 奄美・徳之島両空港では激しい騒音を起こすタッチ・アンド・ゴー(連続離着陸訓練)が実施されました。徳之島で訓練を目撃した富純一さん(70)は「近づいてくる時は、轟音(ごうおん)だった」と証言。このほかに徳之島ではオスプレイによる離着陸訓練や空てい降下訓練なども行われたとして、「まさに戦争の準備だ。訓練はやめてほしい」と強調します。


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