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2023年12月2日(土)

「生活保護削減取り消し」勝訴に万感

全面解決早く

東京 原告・弁護団ら集会

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(写真)要請書を厚生労働省の職員(右端)に手渡す、愛知原告・弁護団の人たち=1日、東京都千代田区

 生活保護費の削減を強行した国を相手に、全国各地の保護利用者がたたかう「いのちのとりで裁判」で、原告勝訴が相次ぐ中、国に「早期全面解決」を求める声が高まっています。同裁判で、名古屋高裁が原告の逆転勝訴判決を言い渡して一夜が明けた1日、各地の原告・弁護団らが東京都内で集会を開き、国に上告を断念して生活保護費を直ちに戻すよう求めるアピールを採択しました。

 主催は、同裁判を支援する「いのちのとりで裁判全国アクション」。集会は、千代田区にある弁護士会館で開かれ、オンラインも含めて約400人が参加。参加者は、同高裁の原告勝訴に喜びの声を上げました。「名古屋高裁に続きたい」と、各地から連帯の表明が相次ぎました。

 同アクション共同代表で「全国生活と健康を守る会連合会」の前田美津恵副会長は、各地の原告が苦しい生活実態を訴えても過去の判決では取り上げられなかったと指摘。「名古屋高裁の裁判長は『余裕のない生活を長期にわたり強いられてきた』と述べた。胸を熱くした。判決内容を学び、それを力に全国で宣伝してたたかっていこう」と訴えました。

 愛知の原告の女性(72)=名古屋市=は、脊髄が悪く体力の限界を感じながら街頭宣伝など活動してきました。判決前日には「今までの頑張りが報われるか心配で眠れなかった」と振り返り、判決を受け「涙が流れた」と喜びました。神奈川の原告の女性は、10年に及ぶ裁判で10人の原告が亡くなったと涙ぐみました。「亡くなった原告のためにも国家賠償を勝ち取りたい」と述べました。

 同アクション共同代表の尾藤廣喜弁護士は「われわれが目指すべきは厚労省に、『いつまで争っているんだ』『早期解決を図れ』と求めていくことだ」と訴えました。

 愛知弁護団の森弘典事務局長が判決の意義などを報告。判決で国に示された「課題」として、▽保護費を元に戻して原告に謝罪する▽今後の保護費の算定を適切なものにする―ことを挙げました。

 集会には、日本共産党の宮本徹衆院議員、倉林明子参院議員ら、野党国会議員が参加。参加者は集会後、上告を断念することなど求めた厚生労働相宛ての要請書を同省に提出しました。


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