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2023年11月30日(木)

COP28に提起要求

気候危機対策 軍隊が抜け穴 山添議員が首相に

参院予算委

 日本共産党の山添拓議員は29日、参院予算委員会で、軍隊が気候危機対策の対象外となっていることをあげ、30日から開幕するCOP28(国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議)で問題提起するよう岸田文雄首相に求めました。岸田首相は「各国の総排出量を管理し、総枠を制限していく」というだけで、まともに答えませんでした。

 山添氏は、「単一の組織で、世界で最も多くの温室効果ガスを排出しているのは米軍だ」と指摘したうえで、軍隊の温室効果ガス排出量をただしました。

 伊藤信太郎環境相は「軍隊の排出は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)指針によって『その他』の内数で計上されるため把握していない」と述べました。

 山添氏は、地球全体の5・5%との見積もりもあり、米軍の活動だけでスイスやニュージーランド1カ国分の排出量を超えているものの、「軍隊の排出量の報告や削減目標の設定は国家安全保障が損なわれるとして、義務づけられていない」と指摘。防衛省の削減目標でも兵器・防衛装備品が除外されている問題をただしました。

 木原稔防衛相は「国の安全確保に直結する特殊な事業のため削減計画の対象外になっている」などと答弁しました。

 山添氏は、世界の軍事費上位10カ国のうち米国や日本など7カ国は、排出量上位10カ国にも入っているとして、「軍事費支出と温室効果ガス排出量に相関関係がある」と指摘。「日本で大軍拡が進められ、武器輸出も拡大している。それらが気候危機対策の抜け穴で良いはずがない」として、重ねて岸田首相にCOP28で問題提起すべきだと訴えました。


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