しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年11月16日(木)

辺野古不承認効力回復求める抗告

沖縄県の訴え退ける

那覇地裁

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設をめぐり、軟弱地盤の改良工事に伴う国の設計変更申請を不承認とした玉城デニー知事の処分について、国土交通相が取り消したのは違法だとして、県が不承認の効力の回復を求める抗告訴訟の判決が15日、那覇地裁でありました。藤井秀樹裁判長は、県が訴訟を提起する資格(原告適格)を持たないとするのが「相当」とし、県の訴えを却下しました。

 行政不服審査法に基づく国交相の裁決が違法かどうかの中身に立ち入らず、原告適格の「入り口論」で不当に門前払いした、地方自治にも背く判決です。

 新基地建設をめぐっては、元知事の辺野古埋め立て承認を県が撤回した処分を国土交通相が取り消したことに対しても、県が撤回の効力の回復を求める抗告訴訟が争われました。しかし昨年12月に「県は訴訟を起こせない」として、請求を棄却した判決が最高裁で確定。地方自治法や行政不服審査法に、都道府県知事が大臣裁決の適法性を争える規定はないことを、形式的に当てはめた不当なものでした。

 今回の抗告訴訟で県側は、最高裁判決の地方自治法などの解釈は、国から独立した自治体が地方行政を行う自治権を保障した憲法92条の「地方自治の本旨」に反するなどと指摘。災害防止や環境保全などの公有水面埋立法の要件に基づく不承認は正当な処分だとし、国交相裁決は違法無効だと主張しました。

 しかし判決は、埋め立て承認に関する事務について「国が本来果たすべき役割」との地方自治法の文言を形式的に当てはめ、「自治体の固有の自治権に含まれるものとは解されない」としました。


pageup