2023年11月11日(土)
「経済対策」を名目に大企業奉仕と大軍拡
軍事費過去最大8130億円
23年度補正予算案を閣議決定
岸田文雄政権は10日、経済対策の裏付けとなる2023年度の一般会計補正予算案を閣議決定しました。一般会計の追加歳出額は13兆1992億円です。補正予算案には経済対策の名目で大企業支援や軍事費が盛り込まれています。
財源は税収の増額分1710億円をあてるほか、新型コロナウイルス感染症対策やウクライナ情勢による経済悪化に備えて23年度当初予算に計上した5兆円の予備費のうち2兆5000億円を取り崩します。また8兆8750億円の国債を追加発行します。内訳は赤字国債6兆3650億円、建設国債2兆5100億円です。
経済対策には半導体や人工知能(AI)などの投資促進策として2兆9308億円が盛り込まれています。台湾の半導体製造大手、TSMCや先端半導体企業のラピダスへの補助金などが想定されており、特定大企業を支援するものです。民間企業や大学の宇宙技術研究に資金提供するため宇宙航空研究開発機構(JAXA)に創設する「宇宙戦略基金」に3000億円を計上しました。
補正予算案として過去最大となる8130億円の軍事費を計上しました。「安全保障環境の変化への対応」との名目で敵基地攻撃能力の保有につながるスタンド・オフ・ミサイルの整備費に1523億円などを盛り込みました。
住民税非課税世帯への給付金は1世帯7万円とし、1兆592億円を計上しますが、所得税・住民税減税は24年度予算で措置します。来年4月末までの延長を決めたガソリンや電気・ガス代の補助金7948億円も盛り込まれました。
補正予算案には歳入項目として22年度当初予算の剰余金、3兆3911億円が計上されました。そのうち1兆390億円を軍拡財源である「防衛力強化資金」に繰り入れます。
国民生活に背
小池書記局長のコメント 日本共産党の小池晃書記局長は10日、同日閣議決定された2023年度補正予算案について、次のようにコメントしました。
「物価高から国民生活を守る」とうたいながら、国民が最も望んでいる消費税減税には背を向けている。また、「地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ」といいながら、中小企業への抜本的な支援で最低賃金を時給1500円に引き上げることもしない一方で、半導体など特定大企業への補助金は大盤振る舞いをしている。
さらに、敵基地攻撃能力の保有につながるスタンド・オフ・ミサイルの整備費など、補正予算としては過去最大の8130億円もの軍事費を計上し、辺野古新基地建設などの米軍再編経費も盛り込まれている。
国民生活には背を向け、大企業奉仕と大軍拡をすすめる補正予算であり、国会の審議で問題点を徹底的に追及していく。