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2023年11月8日(水)

国立大学法人法改悪案

宮本岳志議員の質問(要旨)

衆院本会議

 日本共産党の宮本岳志議員が7日の衆院本会議で行った国立大学法人法改悪案に対する質問の要旨は次の通りです。


 大学の自治と学問の自由は、戦前の国家による学術・研究への弾圧、介入の歴史への反省に立ち、23条をはじめ日本国憲法が高く掲げた不動の原則です。

 2004年の国立大学法人化に際し、政府は「大学の自主性・自律性を高めるため」と言いました。しかし、その後行われたことは運営費交付金の削減であり、教授会を学長の諮問機関にし、文部科学相が任命する監事の機能権限を拡大し、さらに大学ファンド法、国際卓越研究大学法はリスクを負うファンドの運用益で、わずか数校のトップ大学に限定的な支援をするやり方で、政府が大学を意のままにコントロールするものでした。大学運営、大学の自治を破壊してきた反省はないのですか。

 本法案では、大規模な国立大学法人に設置することとされる「運営方針会議」の運営方針委員は、「学長選考・監察会議との協議を経て、文科相の承認を得たうえで、学長が任命する」とされています。これは政府の意向に沿わない委員を承認しない可能性があるということではありませんか。大臣の承認を必要とする仕組み自体、学問の自由、大学の自治への介入です。

 運営方針会議の設置について、国際卓越研究大学法の審議では「国際卓越研究大学以外の大学には、同様のガバナンスは求めない」とされていたにもかかわらず、本法案では政令で指定する大規模な大学すべてに設置するとされ、「だまし討ち」との声が上がっています。いつ方針転換し、どこで誰が検討したのですか。

 本法案は、国際卓越研究大学の制度を足掛かりに、合議体を大学につくらせ、大学を政府の意のままにするものです。政府の助成を受ける代わりに国の介入を許し、軍事研究にさえ手を染めさせようとするものではありませんか。

 なぜここまで研究力が低下したのか、反省と分析がありません。必要なのは、大学の運営費交付金をはじめ基盤的経費を抜本的に増やすことです。基盤的経費を削減し「選択と集中」を推し進めた結果、大学の資金が枯渇し研究が立ち行かなくなり、人件費が削減され非常勤教職員が増加しているのではありませんか。

 3月末、理化学研究所や一部大学で、任期付き研究者の大量雇い止めが強行されました。必要なのは、教員や研究者を正規雇用とし、安定して自由に教育・研究に打ち込めるようにすることではありませんか。それこそ、真の研究力強化の道です。


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