2023年11月7日(火)
障害児の福祉 無償化を
「応益負担」で利用料高額
自立支援法違憲訴訟団
|
「障害者自立支援法違憲訴訟団」は6日、東京都内で政府と第14回定期協議を行いました。同訴訟団は、12項目にわたる要請書を厚生労働省と、こども家庭庁に提出。障害児の福祉サービス利用料の無償化など、障害福祉制度の充実を求めました。
関係者によると、厚労省が現在、議論を進めている来年度の障害福祉サービス等報酬改定について、同訴訟団の原告から「大幅な拡充を」と声が上がったといいます。また、障害者の通所事業所が調理する給食に対しての補助「食事提供体制加算」の継続・拡充も求めました。
障害児の福祉サービス利用料負担をめぐっては、親に収入があることで高額な利用料が「応益負担」として課されることが問題になっています。障害児の親からは、障害がない子どもの子育て費用に比べて年間200万円以上の負担があったとの事例が紹介されました。
同訴訟団は、訴訟の中でも「応益負担」の撤廃を要請してきました。厚労省とこども家庭庁は「財源の確保状況や、他制度との整合性、公平性を踏まえることが必要」などと述べ、これに背を向ける態度を示しました。
障害者が65歳になると自治体により、障害福祉サービス利用から介護保険サービスに移行させられる「介護保険優先原則」があります。この問題では、同訴訟団の求めがあり、厚労省は6月、自治体に対し、画一的な判断は「適切ではない」とした事務連絡を出しました。同訴訟団は、事務連絡の趣旨に反する自治体に強く指導するよう念を押しました。
定期協議は、2010年に同訴訟をめぐって国と訴訟団の和解にあたり交わした基本合意文書に基づき行われるもの。障害福祉制度の充実などを求めた基本合意の適切な履行を確認するため実施されています。