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2023年11月5日(日)

きょうの潮流

 この期に及んでも米国への配慮優先なのか。イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への容赦ない攻撃は、逃げ場のない人々が身を寄せる難民キャンプへの空爆など無差別の殺戮(さつりく)と化しています。誰が見ても明白な国際人道法違反であり、戦争犯罪そのものです▼ところが日本政府はイスラエルの行為を「国際法違反」だと断定せず、停戦どころか、国連総会で世界121カ国が賛成した「人道的休戦」を求める決議にも棄権。上川陽子外相が3日、イスラエルを訪問して「人道的休止」を求めたものの説得力に欠けます▼日本政府のこうした姿勢は、当初からイスラエルを支持し、「自衛権」の名で虐殺を容認している米国の顔色をうかがうものであることは明白です▼世界を「民主」と「専制」に色分けし、どちらの陣営につくかを迫る米国に対して、真っ先に追随を選択した日本。米国が起こした戦争だけでなく、米国が支持する戦争までノーといえなくなっているのです▼日本政府はこれまで、イスラエル・パレスチナの「2国家共存」を支持し、パレスチナへの人道援助を含め、独自の中東外交を展開してきました。こうした姿勢は中東の人々に支持され、また、欧米とは違って中東の植民地支配に加担してこなかったことから、今なお「親日」色は強い▼日本が唯一の戦争被爆国であることも知られており、だからこそ、戦禍の苦しみを理解してくれるという期待も大きい。憲法の平和主義が、今ほど試されている時はありません。


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