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2023年11月4日(土)

オンライン全国都道府県委員長会議への問題提起

書記局長・「大運動」推進本部長 小池晃

 小池晃書記局長・「大運動」推進本部長が2日のオンライン全国都道府県委員長会議で行った問題提起は次の通りです。


写真

(写真)問題提起を行う小池晃書記局長・「大運動」推進本部長=2日、党本部

 連日の奮闘おつかれさまです。

 本日、オンラインで全国都道府県委員長会議を開き、五つのグループで分散討論を行うこととしました。これは、第29回党大会まで2カ月余となり、再来週の10中総には党大会決議案が提案されようとしているもとで、10月のとりくみの自己分析の議論を、中央と都道府県委員長とでお互いに間髪入れずにしっかり行い、月初めから猛ダッシュで「大運動」の飛躍を図ることが必要だと考えたからです。

10月の党勢拡大の到達――9中総決定にそくして両面でとらえる

 10月の党勢拡大の到達について報告します。

 党員拡大は、目標には大きな距離を残してはいますが、全党の奮闘で大運動に入ってから最高の680人の方が入党を決意されました。

 機関紙拡大では、日刊紙は電子版との合計で前進しましたが、日曜版は123人の後退となりました。

 10月は、党勢拡大のテンポが落ちたことを重大視して、20日に私が、推進本部として、「緊急の訴え」を行い、26日に田中悠機関紙活動局長が「党員拡大を前進させつつ、読者拡大で必ず前進・突破を」との訴えを出して、月末の猛奮闘を呼びかけました。こうした訴えに応えた、全党の同志のみなさんの大奮闘に心から敬意を表します。

 11月は、この勢いを決して途切れさせることなく、月初めから飛躍の流れをつくりだすことを強く訴えます。

 10月の到達ととりくみをどうみるか。あらためて9中総の結語で述べた点が大事だと思います。すなわち、「頑張りいかんでは運動の飛躍をつくりだす重要な土台をつくってきた」という面と、「党機関の構えと手だてがどうだったか、弱点、突破すべき点もある」という面――この両面で、10月のとりくみの教訓をとらえることです。

 それぞれの県で、飛躍への重要な土台となりうる変化もある。全国的にも党員拡大では「大運動」で最高になっている。「しんぶん赤旗」読者も拡大数は8月、9月より大きく伸ばしました。その土台として、9中総決定、「第二の手紙」が大変積極的・感動的に受け止められている。各県でこうした変化があるのではないかと思います。

 同時に、先月の「緊急の訴え」で述べたように、大会現勢回復という「最初のハードル」が正面にすえられていないという弱点もありました。また、それぞれの県で、突破すべきと感じている課題があるのではないかと思います。そこもしっかり自己分析して11月に必ず生かしていく。こういう姿勢で、今日の討論で11月にどう飛躍をつくるのかを深め合いたいと思います。

 中央として大事だと感じているいくつかの点を簡潔に述べます。

大きな力を発揮している「第二の手紙」

 まず、10月のとりくみを通じて、9中総が全党の支部・グループに送った「第二の手紙」が、全党の力を引き出す大きな力を発揮しているということです。

 三重・南部地区の鳥羽支部は、「第二の手紙」を支部委員会で議論し、「胸に響き、目頭が熱くなる」「これは『大運動』の決起の力になる」と受け止め、「市議中心の行動では『130%』はできない。支部委員が党員の行動を組織しなくては」「『第二の手紙』で全党員の決起が必要」と、党員の参加にこだわって統一行動をくり返しました。そして、10月は党員2人、日曜版9人を、「大運動」通算では党員9人、日曜版40人を拡大。「第一のハードル」まで、党員では5人、日刊紙は16人、日曜版1人に迫っています。情勢も反映し、対話はどこでも盛り上がり、行動に参加した党員が元気になる好循環が生まれています。

 北海道・十勝地区の幕別町・札内西支部は、「第二の手紙」を会議に集まった4人で読み合わせました。「とても心に響く」「現在の党の現状、支配勢力による反共攻撃、いよいよひどくなる政治を考えると、党を強く大きくしなくてはとひしひしと感じる」「入党対象者を狭く見ていたのではと気づかされた。政治を変えたいと思っている人すべてに入党を訴えなければ」と議論し、街頭演説にいつも参加している、長い日曜版読者の男性をたずね、「入党のよびかけ」カラーパンフを開きながら「一緒に政治を変えましょう」とよびかけたところ、男性は「そうですね。政治を変えないと」と入党。働きかけた党員は驚きとともに入党を喜んだとのことです。

 「第二の手紙」のとりくみをつうじて私たちが強く実感しているのは、わが党の支部は、さまざまな困難な課題を抱えながらも、前進をつくりだす力を持っているということです。どの支部も、どの党員も、この国の政治を何とかしたい、そのために強く大きな党をつくりたいという思いを持っているということです。そして、「第二の手紙」には、支部が持っているこうしたエネルギーを深いところから呼び覚ます力があるということです。「第二の手紙」を本当に力にしきって、全国1万7千の支部・グループのエネルギーを引き出すことができるならば、短期間でも大飛躍をつくりだすことは必ずできます。ここに深い確信と信頼をおいて奮闘することが何より大切です。

 問題は、この「第二の手紙」の討議は、まだ道半ばだということです。10月30日の「週報」の時点では、9中総決定の討議・具体化支部は50・5%、読了党員は19・1%となっており、まだ多くの支部、党員に届いていないのが現状です。

 また、討議したけれども、あるいは決意は出されたけれども、具体化、実践は決まらない、中央への「返事」や「大運動」の具体的計画はこれからだ、という支部も少なくありません。そこに党機関からの問いかけ、「踏みきり」への援助が入るかどうかがきわめて重要だと思います。

 「第二の手紙」を文字通りすべての支部が討議・具体化し、すべての支部が「大運動」に踏み出す――全支部運動にしていくことにトコトン徹して、11月には必ず飛躍をつくりだそうではありませんか。そのために「第二の手紙」がつくりだしている前向きの変化を報告していただきたい。同時に、打開すべき課題も報告していただきたい。ここで腹を固めあう会議にしていきたいと思います。

政治情勢に「前向きの潮目の変化」が起こっている――ここをしっかりとらえて

 次に、政治情勢を深くとらえて、政治的大攻勢をかけながら「大運動」の飛躍をはかることの重要性です。

 岸田自公政権は、副大臣や政務官の不祥事や違法行為による辞任が相次ぎ、支持率は発足以来最低を記録し、国民の中には不信と怒りが渦巻いています。街頭で訴えると、岸田政権に対する怨嗟(えんさ)の声と共に、わが党に対する期待が寄せられ、「情勢が大きく変わったことを実感する」という報告が、各地から寄せられています。

 この間とりくまれた、衆参本会議での代表質問、予算委員会の基本的質疑での、わが党の論戦は、政治のゆがみの根本に切り込み、希望を示すという点で抜きんでたものです。

 ――物価高騰から暮らしを守ることは最大の課題ですが、「経済再生プラン」にもとづいて、「失われた30年」をつくりだした財界中心政治のゆがみに切り込み、太く打開策を示す論戦を行っている党は、日本共産党をおいて他にありません。

 ――平和の問題でも、憲法違反の大軍拡の問題を系統的に追及するとともに、東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」という希望ある対案を示す論戦を行っている党も、日本共産党をおいて他にありません。沖縄県・辺野古新基地建設強行の政府の無法を、衆参本会議で告発し、沖縄県民の連帯を訴えた党が日本共産党だけだったことを、沖縄の地元紙も注目して報じました。

 ――イスラエル・ガザ紛争を、国会で正面からとりあげて、国連憲章と国際法を守る立場からの冷静な論戦を展開している点でも、日本共産党は抜きんでています。日本共産党は、ハマスの無差別攻撃を非難しつつ、イスラエルによる空爆、封鎖、地上侵攻を国際法違反と厳しく批判し、暴力の連鎖を止め、停戦をはかることを強く求めてきました。この立場こそが世界の本流に立ったものであることは、国連総会の緊急特別会合で、世界121カ国の賛成で採択された人道的休戦を求める決議にも示されました。わが党が国会論戦で明らかにしてきたように、日本政府が、(1)ハマスを非難しながらイスラエルの無法行為を「国際法違反」と批判ができない、(2)国際社会が求めている休戦に背を向ける姿勢をとっていることは、米国の顔色をうかがう対米従属姿勢がこの問題でもあらわれたものとして、厳しく批判されなければなりません。

 いま、日本共産党が、あらゆる問題で政治的攻勢に立った論戦を展開するなかで、情勢に「前向きの潮目の変化」が起こっている。ここをしっかりつかむことが大切です。くらしと経済の問題でも、平和の問題でも、イスラエル・ガザ紛争解決の問題でも、わが党が街頭にうってでて、打開の展望を訴えれば、どこでも熱い反応が返ってくる、それは各県でのさまざまな活動のなかでの反応にもあらわれているのではないかと思います。

 私たち党機関がこうした政治情勢の変化、国民の変化にふさわしい政治指導ができているかが大事ではないか。すなわち、支部や党員のなかには、なかなか中間地方選挙でいい結果が出ない、あるいはこの間の一連の国政選挙や統一地方選挙の後退に、なんとなく重い気持ちがある。押されている感じがある。そういう気持ちでいる同志も少なくないのではないかと思います。それを放置しないで、元気のでる政治指導をつくす。8中総決定にもたちかえり、わが党の政治的解明について丁寧に、疑問などにも答えながら理解を深める援助をつくす。また一緒に街頭や訪問行動にもうってでて、国民の熱い反応も実践的につかんで激励していく。そういう指導・援助が、全支部運動への発展をはかるうえで、いま機関の姿勢として大事なのではないか。この点もぜひ今日の会議をうけて、検討し、具体化をはかっていっていただきたいと思います。

党機関が果たすべき三つのイニシアチブ――自己検討の率直な議論を

 「第二の手紙」が力を発揮し、支部には大きな力がある。情勢にも「前向きの潮目の変化」が起こっている。いま「大運動」を飛躍させる条件は、大いにあります。それを現実のものにする最大のカギはどこにあるか。全党のエネルギーを引き出す機関のイニシアチブにあります。

 9中総の志位委員長のあいさつでは、党機関がどのようなイニシアチブを果たすのか、3点が提起されました。この3点にそって、10月のそれぞれのとりくみがどうだったか。今日の討論で率直な議論で深めていただきたいと思います。

 一つ目は、「目標達成への決意と構えを繰り返し議論し、法則的活動の推進と一体に、拡大を推進していく独自の具体的手だてをとりきる」ことです。

 愛知県党は、10月の入党の働きかけが375人、入党申し込みでも38人で、いずれも「大運動」で最高となりました。「しんぶん赤旗」読者拡大では、連続後退にストップをかけ、日刊紙、日曜版をともに前進させました。

 この変化の直接の契機は、9中総での志位和夫委員長のあいさつで提起された党機関の三つのイニシアチブについて、県委員会総会で正面から討議したことでした。とくに、福岡県党の経験にも学びつつ、3割増とともに、「第1のハードル」である大会現勢回復・突破の目標を10月中にどうやりきるかを議論し、目標達成への保障である「第二の手紙」を生かして全支部総決起をはかる上で、党機関がもつべき政治的構えについて、踏み込んで討議しました。この日までに5人の入党者を迎えていた西三河地区の地区委員長が、「第二の手紙」を力に800人規模の入党の働きかけを実践する意思統一をすすめている経験が語られるなど、活発な討論が力になったとのことです。

 「目標達成の決意と構え」「法則的活動と一体に独自の具体的手だて」と言った場合、機関の「大運動」への本気度は何によってはかられるか。「第二の手紙」にもとづいて、一つひとつの支部に援助の手をつくし、そうした支部を大勢にし、すべての支部に広げていく。そのための機関としての「決意と構え」はどうか。「独自の手だて」がどうとられているか。ここで機関の本気度がはかられることを訴えたい。この点でどうだったか、どうしていくかを、どうか率直な議論で深めていただきたい。

 明日からの3連休で党勢拡大のスタートダッシュを図り、13、14日の10中総を大飛躍の中で迎え、そこに提案され、議論される大会決議案をさらなる推進力にして、この11月、必ず大飛躍をかちとりましょう。

 各県・地区で、11月の目標を定め、大会現勢回復・突破という「第1のハードル」を月内にも飛び越える地区、自治体・行政区、支部を次々つくり、党大会に向けて130%の実現へ、総力をあげようではありませんか。

 青年・学生分野では、2千人の年間目標を突破した民青拡大では、各都道府県の自主目標実現をめざすとりくみがすすみ、11月1日現在、2228人となっています。第28回党大会第二決議が決めた民青倍加の目標の達成が確実となりました。

 いよいよ青年・学生党員の倍加にむけてのとりくみの前進・飛躍が求められています。11月18日に東京で予定されている志位和夫委員長を講師にした「若者タウンミーティングwith志位和夫」を、すべての都道府県が視聴するとりくみへと具体化し、青年・学生党員拡大の前進・飛躍を実現しましょう。

 機関が果たすべきイニシアチブの二つ目は、「8中総決定と記念講演を深くつかみ、党の綱領と組織のあり方への攻撃を断固として打ち破り、『わが党に対する攻撃を前進の力に転化する』『党勢拡大こそ反共攻撃に対する最大の回答』という攻勢的立場で奮闘する」ことです。

 この点での福岡県党の努力は、9中総後もさらに発展を遂げています。

 10月11日の県委員会総会で、党を攻撃する人たちが福岡県党の前進を何としても妨害しようと躍起になり、福岡県党を名指しで攻撃していることがリアルに報告されました。それをふまえて、県委員会総会の名で、全支部・全党員への「訴え」をだし「こんな妨害に絶対に負けるわけにはいきません」とよびかけました。この「訴え」を読んで、県党に攻撃が集中していることを初めて知ったという党員が数多く生まれ、党員の力を引き出すことになりました。これが、10月の新しい変化・発展につながり、10月の入党決意数は108人となりました。入党働きかけは1096人で4ケタを超え、働きかけの支部も38・5%となり、7月の36・8%を上回り、「大運動」で最高になりました。

 内田県委員長は「支部・党員のなかに、反共攻撃に負けてなるものかという構えが浸透し、それをバネにして、党員拡大の働きかけが1000人を超えるという新たな飛躍となった。ここが大事だったと思っている。党機関のイニシアチブが発揮され、支部との一体感が出てきたと思う」と語っています。

 反共攻撃を打ち破って前進と成長をかちとることは、全党が直面している重大な問題です。「党勢拡大こそ反共攻撃に対する最大の回答」。福岡の教訓に全党が学び、これを党大会成功に向けた全党の合言葉にしていこうではありませんか。

 中央としても、10月27、28日の党活動ページに、記念講演と百年史の大学習運動についての座談会を載せ、今日(2日)は反共反撃特集を掲載し、生きた対話の経験をリアルに紹介しています。これもぜひ活用していただければと思います。

 三つ目は、「党機関の体制が弱いもとで、いかにして支部に指導と援助を届けるかという問題」です。

 この点では、全党的に京都南地区の経験に学んで、支部長会議を重視し、その回数も増やす努力が広がっていますが、まだ多くの機関で苦労や模索が続いているのではないかと思います。会議の中で、お互いの努力について深めあいたいと思います。

 9中総結語では、「国政選挙をひとつたたかう以上の構えで」と提起しました。もう党大会まで2カ月あまりですから、支部長会議、支部会議は躊躇(ちゅうちょ)せず毎週開催を提起していく時期だし、その提起が正面から受け止められる時だと思います。党大会議案が発表されれば、各級党会議にむけて支部総会の開催も必要です。党機関も連日の集中態勢をとって、この3連休から日々、支部の臨戦態勢確立への手だてをとって、月初めからダッシュをかけようではありませんか。

 今日の会議では、「機関が果たすべき三つのイニシアチブ」にてらして、それぞれの都道府県のとりくみがどうだったのか、率直な自己検討を深めるとともに、11月の月初めからどうやって飛躍をつくるか、議論を行いたいと思います。そのことを訴えて、問題提起とします。


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