しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年11月1日(水)

国大法改悪案を提出

統制強化 まず東大など5校

 岸田文雄政権は31日の閣議で国立大学法人法改悪案を決定し、国会に提出しました。一定規模以上の国立大学に新たな合議体「運営方針会議」の設置を義務づけ、同会議に中期計画などの最終決定権を移管。合議体の委員の選定を文部科学相の承認事項とし、政府の息のかかった少数の人物による大学支配に道を開こうとしています。

 現状、国立大学の運営にかかわる重要事項の最終決定権は学長が持っています。決定前には理事を交えた役員会での議論が必要とされるなど、学内の意見を反映する仕組みが残されています。

 岸田政権は今回、国大法で理事が7人以上となっている大学のうち、特に事業規模が大きい東北大、東大、東海国立大学機構(名古屋大・岐阜大)、京大、大阪大を政令で「特定国立大学」に指定し、合議体の設置を義務づける計画です。特定国立大学に指定されなかった大学も文科相の承認を得れば設置できるようにします。

 合議体の委員は学長ほか3人以上で、文科相の承認を得て学長が任命します。大学側の人選を政府が拒否することも可能な仕組みです。大学の中期計画や予算編成といった重要事項の審議権・決定権を合議体が握るようになり、学長選考にも意見表明の権限が与えられます。

 学問の自由を保障するため、教育・研究に関することは大学が自律的に決めるという大学自治は根底から破壊されます。

 合議体はもともと10兆円の大学ファンドから支援を受ける「国際卓越研究大学」に設置を義務づけるとしていましたが、改悪法案は対象を大幅に拡大。政府は卓越大学の合議体について、半数以上を大学構成員以外とすることが「適当」としていました。

 軍事研究拒否の声明を契機とした自公政権による日本学術会議の会員任命拒否、通常国会での学術会議法改悪の画策に続く、学問の自由への新たな政治介入です。


pageup