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2023年10月9日(月)

元補佐官秘書 「赤旗の脅威」供述

日曜版詳報 権力監視の役割

 「赤旗」日曜版のスクープが端緒となり、政治資金規正法違反の罪で略式起訴された薗浦健太郎・元首相補佐官(自民党離党、衆院議員辞職)。当時の秘書らの供述調書から浮き彫りになったのは「赤旗」の「権力監視」の役割です。(「日曜版」10月8日号で詳報)

 東京地検は2022年12月、政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に過少に計上したなどとして薗浦氏と元秘書2人を規正法違反(虚偽記入、不記載)罪で略式起訴。いずれも罰金100万円と公民権停止3年の略式命令を受けました。

 刑事確定訴訟記録法に基づき日曜版編集部はこの事件記録を閲覧。薗浦氏の元秘書らは略式起訴のきっかけとなった「赤旗」日曜版の取材について捜査機関に詳しく供述していました。

 日曜版編集部は、薗浦氏側が19年に開催したパーティーの収支を収支報告書に記載していない事実を“闇パーティー”疑惑(21年3月21日号)とスクープ報道。これが立件の端緒となりました。

 一連の報道にあたり、編集部は薗浦事務所に質問書を送付(21年3月1日)しました。

 供述調書によればこの際、元秘書は「ばれるとは全く想定していませんでした」「まずいことになった」と考え、薗浦氏に報告。薗浦氏はため息をついて「どうするの」「どう答えるのか、案を作っておいて」と指示したといいます。(22年11月16日付の供述)

 指示を受けた元秘書は「対外的な説明案」を作成。「赤旗への基本対処方針」は「回答しない」。他メディアにはウソの内容を説明する方針を決め、追及から逃れようとしました。

 さらに元秘書は日曜版の印刷直後に「知り合いの産経新聞の記者」から「内々に」送ってもらった記事を読み、別の元秘書に「一般紙も取材攻勢が予想されます」「展開によっては、ソノウラの政治家生命にも影響します」と伝えました。(22年11月17日付の供述)

 しかし、他メディアの取材攻勢や後追い報道はありませんでした。

 他方、日曜版編集部は21年3月15日付でさらに詳細な質問書を薗浦事務所に送付。元秘書は、「赤旗が収支の不記載をしっかりと証拠とともに把握」していると驚がく。薗浦氏は、日曜版の記事が出る前に収支報告書を訂正するよう元秘書に指示します。

 「赤旗以外の一般紙等がこの件を後追いすることもまずないだろう」との判断です。政治家側が現在のメディアの姿勢をどう捉えているかがうかがえます。

 この際、薗浦事務所は収支報告書に虚偽の内容を記載。その“動機”について元秘書は「更(さら)に赤旗から…追及を受けるおそれ」があったため、と供述しています。

 その後、日曜版報道にもとづき神戸学院大学の上脇博之教授が薗浦氏らを東京地検に刑事告発(21年9月)。22年12月、薗浦氏らは略式起訴されました。

 他メディアが報じたのは検察が捜査を進めてから。ジャーナリズムの役割は「権力の監視」です。メディアの姿勢も問われます。

写真

(写真)薗浦健太郎・元首相補佐官の元秘書らの供述調書から「赤旗」の「権力監視」の役割が浮き彫りとなったことを報じた「赤旗」日曜版(10月8日号)


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