2023年10月8日(日)
第9回中央委員会総会
小池書記局長の結語
日本共産党の小池晃書記局長が第9回中央委員会総会で行った討論の結語(6日)は次のとおりです。
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2日間の会議、お疲れさまでした。会議では52人の同志が発言をされました。全国では、リアルタイム視聴の合計が2万7455人、ユーチューブの録画再生回数は現時点で3万2千回となっています。全国から439通の感想が寄せられました。
全体として、志位委員長のあいさつ、そして支部への「第二の手紙」を積極的に受け止めた真剣で深い討論がおこなわれました。とくに、8中総以降とりくんできた「大運動」を、文字通りの全支部、全党員運動に発展させ、「130%の党」の目標を党大会までに総達成すること、そのために9中総として全国の支部・グループにあてて総決起を訴える「第二の手紙」を送るという提案が歓迎されています。そして歴史的な第29回党大会を全党の力で必ず成功させようという、決意みなぎる総会になった。このことを確認したいと思います。
「大運動」の到達を両面からとらえて
「大運動」の到達点をどうとらえるか。この間の全党の奮闘によって、頑張りいかんでは運動の飛躍をつくりだす重要な土台をつくってきた。志位委員長のあいさつでは、こういう現状の評価をしました。このことは総会の議論を通じて共通の確信になったのではないでしょうか。その結果、とても明るい会議になったと思います。
同時に、党機関の構え、手だてについて、ここは率直に自己分析が必要だと思います。弱点も突破すべき点も直視しなければなりません。党機関としては重要な土台をつくったという面と、弱点、突破すべき点があるという、その両面でとらえる。この重要性が討論で深められたと思います。
感想文でも、全支部・全党員の運動にしていくうえで党機関がどういうイニシアチブを発揮すべきか、志位委員長が強調した三つの点、この一つ一つが共感をもって受け止められています。
討論で、鹿児島の松崎真琴県副委員長は、8月の全国都道府県委員長会議に参加した県委員長から「熱量を感じた」と言われました。「この県委員長の熱意、思いをどう自分のものにしていくのか。どうすべての県常任委員のものにしていくのか、地区委員長のものにしていくのか、そこが課題だ」と。さらに、その決意を、その時だけの決意に終わらせず、すべての機関、支部に伝えることだと言われました。まさにこうした努力が党機関に求められているのではないでしょうか。こうした努力をお互いに深めて、党機関のイニシアチブを発揮するために全力をあげていこうではありませんか。
全支部運動、全党員運動こそ「最大のカギ」
二つ目に、最大のカギは、全支部運動、全党員運動にしていくことだ――これが、砂に水がしみこんでいくように、また霧が晴れるかのように入っていきました。
静岡の山村糸子県委員長が、率直な発言をされました。
「10月にどう打ち出すか、迷いがあった。考えあぐねていた。9中総はその悩みにズバリ答えてくれた。志位さんのあいさつのなかで、『半数以上の支部がこの運動に立ち上がれば大きな飛躍が起こります。全支部の運動にすれば目標達成の展望が一挙に見えてきます。支部のもつ自発的エネルギーにトコトン依拠し、全支部の運動にしていくために、ブレずに、うまずたゆまず力をそそぐことこそ、飛躍をつくる最大のカギ』。…このことは私がつかんだ大切な確信であり、県にかえってみんなに真っ先に伝えたい」
その通りだと思います。そして、そのために9中総の「第二の手紙」が決定的な役割を果たすのではないでしょうか。これは感想文でも大歓迎されています。「とても励まされて勇気が出た」「『六つの挑戦』は支部の実情に合った提起だ」「最後にある支部からの『返事』にはぐっときた」――党勢拡大の独自追求の大事さ、「六つの挑戦」の呼びかけが共通して受け止められ、これまでのとりくみを振り返りながら、「やってみよう」「まずは足を踏み出してみよう」という決意が、感想文で語られています。とても心強いものだと思います。
「第二の手紙」で党建設の意義を正面から議論しよう
討論でも、「第二の手紙」が歓迎され、活用への決意が語られました。
長野の鮎沢聡県委員長は、「『第二の手紙』を読めば、情勢での党の値打ち、なぜ『130%』か、党史と記念講演にそって発展させられた意義、党への攻撃を前進の力にすること、また支部が党大会に向けて何に挑戦すればいいのか、すべて書いてある。あとは機関が自らの実践の経験を語り、一緒に具体化すればいい。『第二の手紙』の徹底が全党運動のカギを握っている」と語りました。
三重の大嶽隆司県委員長は、「『第二の手紙』を支部で討議すれば力になると実感する」と述べつつ、問題は機関だと。「機関で徹底的に『第二の手紙』で提起された内容と意義をくりかえし討議することが大事。自分の言葉で語れる、そういう幹部集団をつくらなければいけない」と発言されました。
これも大事な視点だと思います。「第二の手紙」は、7中総の「手紙」の「130%の党」づくりの三つの意義を、今日の情勢に照らして深める、『百年』史と党創立101周年記念講演をふまえて深めるという考え方でつくりました。第2章はこの間の内外情勢をふまえて、そして第3章は党史の歴史的な発展段階をふまえて、掘り下げて展開しています。「第二の手紙」を討議する際は、これを正面から議論することが大切です。その議論なしに「六つの挑戦」と言っても、これは魂の入ったものにならないと思います。
そしてこの2点を議論する際に大事なのは、内外情勢を議論する際には「志位委員長のあいさつ」が大事だと思います。それから「歴史的発展段階」は記念講演です。これをしっかり議論するということを合わせてやっていただきたい。「あいさつ」と記念講演をしっかり「第二の手紙」の議論に乗せて深めていく。そのうえで「六つの挑戦」に挑んでいくことを強調したいと思います。
全支部運動、全党員運動にすることが決定的であり、そのための党機関とその長の役割が自己分析的に深められる発言もありました。埼玉の荻原初男県委員長が、「福岡県委員長の発言を聞いていて、何が違うのかいつも考えさせられてきた。やはり3割増の党をつくるということへの構え、決意、覚悟。『命運をかけたたたかい』と口では言うのだが、本当に命運をかけたたたかいと思っているのか。そう思っているのならその思いが伝われば、全支部が決起するはずではないのか。それが伝わっていないのではないか。まずは己の決意がどうなのか。覚悟はどうなのか。たえずなぜ『130%の党』づくりなのかという点をわがものにして消化して、全体を激励しながら目標に全力をあげたい」と発言されました。「大運動」の推進本部長である私はもちろん、すべての機関役員のみなさん、とりわけ中央役員のみなさんが、こういう決意と覚悟を持ってのぞむのかどうかが問われる局面だということを強調したいと思います。
8中総決定、記念講演の徹底を――前進している党組織の一番の教訓として
三つ目に、党機関のイニシアチブの重要性について深く受け止められたのは、やはり反共反撃でどういう役割を果たすのかです。その点で、党機関自身が8中総決定、記念講演を自分のものにできていたのか。ただ“読んだ”“理解した”というところにとどめずに、自信を持って語れるようになるまで議論し尽くす。反共攻撃に立ち向かう実践の課題として深くつかむ。これが福岡の一番の教訓ではないでしょうか。内田裕県委員長が次のように語りました。
「今日の共産党攻撃が、この党勢拡大を失敗させることに集中している。まさに党勢拡大が支配勢力とのたたかい、今日の階級闘争の焦点になっている。とりわけ規約違反で除名された人物が福岡県の党勢拡大を失敗させようと狙い撃ち的に攻撃を仕掛けていることをリアルに紹介して、こんな攻撃には絶対負けないということを徹底した。これは一般的な理論問題ではない、まさに実践問題であり、福岡県党での党員拡大への激しい攻撃を自らの政治体験としてしっかりとらえ、どう生き生きと語るか。そうやってこそ支部に勇気と意欲を湧き立たせることができると強調してきた」
この発言は今回の中央委員会総会でも多くの同志の共感と感動を呼んだのではないでしょうか。そして真島省三県副委員長からも、「たたかいの中で県党が鍛えられ成長、発展している」と、自らの体験をもとに発言され、福岡での議論のリアルな姿が浮き彫りになったと思います。
この点で東京の関口達也都書記長の発言で、新宿地区委員会の経験が紹介されました。くりかえしニュースで8中総決定の核心を徹底し、地区委員長を先頭に、支部に足を運び、8中総を語る、綱領を語る、このことに全力をあげ、わが党への攻撃を前進の力に転化する。党勢拡大こそ反共攻撃に対する最大の回答だという構えを地区党全体に確立することに全力をあげてきた。こうした努力が力になって、9月は3割をこえる支部が党員拡大にとりくみ、10人の入党者を迎え、党費納入も9カ月連続前進をさせているとのことでした。
新宿地区のとりくみの教訓は、疑問が出たらあいまいにしない。毅然(きぜん)と、徹底するまで、とことん疑問をあいまいにせず、努力をつくす。ここにあると私は思います。こうした努力を、いま全党が強めることが大事ではないでしょうか。
東京の田川豊都副委員長は、ある学生の再入党の経験を紹介し、「学生の中に間違いなく反共攻撃の影響はあるけれども、『百年』史と記念講演の学習、日本共産党の組織の魅力を実感してもらうことで必ず突破できるという手ごたえを強く感じている」と言われました。これも大事だと思います。党の組織の魅力を語る。党員一人ひとりが自らの日本共産党の一員として活動している実感を通じて、日本共産党の党組織の魅力を語っていくことの重要性を強調しておきたいと思います。
「しんぶん赤旗」の中祖寅一政治部長は、いまの党攻撃が、権力、メディアと一体となった大掛かりな党攻撃であることをリアルに示しました。全体像が非常に深まったのではないでしょうか。
志位委員長はあいさつで、8中総決定の核心を深く全体のものにし、攻撃を正面から打ち破る、政治的な構えをつくることの重要性を語りました。8中総と記念講演を読んで身につける。それをしなければ、党員が攻撃に無防備にさらされてしまいます。日常的にメディアなどが振りまく攻撃にさらされる。そのような事態はなんとしても避けなければなりません。攻撃に立ち向かって、一人ひとりの党員の政治的・思想的成長をかちとらなければなりません。それは全党の党員に対する私たちの責務でもあると思います。
みなさん、今回決定されるであろう9中総とともに、8中総決定と記念講演の読了、徹底を必ずやり遂げようではありませんか。
大きな党と民青をつくる「歴史的時期」を全党のものに
8中総に続いて世代的継承の課題も生き生きと語られる総会になりました。いま青年・学生のなかで強く大きな党をつくる「歴史的時期」を迎えている。このことを全党の共通認識にしていくことの重要性が、討論でも深められました。
京都の渡辺和俊府委員長は、口丹地区委員会で元教員の年配の学習教育部長が、入党した学生の新入党者教育をやって非常に驚いたんだという話をされました。聞いたら、いま600万円の奨学金を借りている。この学習教育部長は、「私たちが長年たたかってきたのに、いまの若い人たちが戦後で一番貧しい事態になっている。自分たちがそういう人たちに目を向けていただろうか」と反省をして、すべての支部が若い人たちとのつながりを持とうと、地区活動者会議で発言されたそうであります。
いまの青年・学生が置かれた現状を解明し、若者のなかで大きな党と民青をつくる「歴史的時期」を迎えていることを明らかにしたのが8中総の「特別決議」です。この「特別決議」の討議とともに実践も始まっています。これが全党に広がれば、巨大な前進が実現し、わが党の未来がひらかれる。この道を進んでいくことを心から訴えたいと思います。
9中総の徹底・具体化について
最後に9中総決定の徹底、具体化です。
第一に、9中総の決定文書は、志位委員長のあいさつと「第二の手紙」、討論の結語となります。その前提となる8中総決定と党創立101周年記念講演についても、全党員が読了・視聴すべき文書としたいと思います。党大会は来年1月15日からとなります。ですから大会決議案などを議論する10中総は、11月の中旬に開催されることになります。どんなに遅くともそれまでに全党員が読了し、全支部で討議しようではありませんか。
第二に、9中総の徹底と実践との関係についてです。決して段階論に陥ることなく、8中総をベースに「第二の手紙」で党勢拡大の加速をはかりながら、徹底しつつ飛躍をつくろうではありませんか。
第三に、「第二の手紙」は支部・グループに送るものですが、党機関でも必ず議論して、支部に熱く語ることを訴えます。「第二の手紙」に対して、支部から自発的にさまざまな反応も寄せられてくると思います。「読んだ」「何かしたい」と、いろんな反応が出てくると思います。それを機敏にキャッチして、双方向・循環型のとりくみをさらに大きく発展させていこうではありませんか。
臨戦態勢をどうとるか。支部の臨戦態勢については「第二の手紙」に示しました。「週1回」の支部会議を開始し、定着させる。これが何よりもの臨戦態勢です。このことに全力を注いでいきましょう。
党機関の臨戦態勢もとらなければなりません。党大会まであと3カ月、統一地方選挙でいえば、年明けからだいたい臨戦態勢には入るでしょう。国政選挙をひとつたたかう以上のかまえと覚悟で、連日結集し、とりくみの変化、教訓を日々つかみ、打つべき手だてを日々打って、悔いのないとりくみをする。そして日々変化をつくっていく。福岡では一日でも党員拡大がゼロの日があってはいけないととりくんできたという発言もありました。一日一日打つべき手だてをとりきることを心から訴えたいと思います。
全体として9中総が大きな前向きな議論になったことを確認して、結語を終わりたいと思います。頑張りましょう。