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2023年10月3日(火)

ジャニーズ事務所会見

幅広い調査・救済問われる

被害認定遅れ 背景にずさん管理

 ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川元社長による性加害の被害は深刻さを増しています。同事務所は2日に会見し、9月末までに478人から被害などの申告があったと公表。会見では、すべての被害者を把握し、補償することの困難さが浮き彫りになりました。

 「外部専門家による再発防止特別チーム」の報告書(8月29日)では「少なくとも数百人の被害者がいるという複数の証言を得た」としています。

 今回の会見では、すでに500人近くが被害を訴えていることが判明。会見で被害規模について感想を問われた東山紀之社長は「これほどだったのかという思いが強い」と発言。ジャニーズアイランドの井ノ原快彦社長も「同意見だ」と述べました。

 ただ事務所は被害の全容をいまだつかめていません。会見では被害者からの申告があれば個別の調査を行うとした事務所の姿勢は「無責任ではないか」との質問も。顧問弁護士の木目田裕氏は、被害者のプライバシーなどを理由に「一方的に調査するのは不適切だと思っている」と回答。事務所主体の調査は行わないとしました。

 被害者の認定が遅れている一因は、ジャニーズJr.と契約を締結しないなど、在籍確認ができないようなずさんな管理体制があったためです。東山氏は「契約はちゃんとしていなかった。学生のノリでやっていた」と述懐。木目田弁護士は「網羅的に管理されていなかった」と認め、同事務所が設置した被害者救済委員会が当時の資料や関係者への聞き取りから確認しているとしました。立証責任を被害者に転嫁せず、事務所が認定のための材料を集め、「救済に漏れがないよう認定していきたい」と語りました。

 ジャニー氏の性加害を事務所側もタレントを支配する手法として利用していたのではないかという質問も。東山氏は「見て見ぬふりをしていた。言える勇気はなかった。子どもたちの弱いところをつかんでいたと思う」と述べました。井ノ原氏は「(ジャニー氏の)絶対的な支配の中にいた。巧妙な手口で子どもたちが気づかぬうちに支配下にあった。得体の知れない空気感があった」と振り返りました。

 (嘉藤敬佑、小林圭子)


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