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2023年9月24日(日)

きょうの潮流

 地球温暖化が災害を伴う豪雨や猛暑など異常気象に大きく影響を与えています。世界の平均気温は産業革命前と比べすでに1・1度上昇。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、さらなる上昇で10年に1度とか50年に1度発生する極端な高温や降雨、干ばつの発生頻度が多くなると▼温暖化によって異常気象がどの程度変化したのかを調べた研究が、相次いで発表されています。コンピューター内で人間活動によって温暖化した状態と、温暖化していない状態を仮想的に作り出し、それぞれ多数の計算をして比較。異常気象の発生確率の変化を取り出す研究です▼今年の7月下旬から8月上旬にかけての記録的高温は統計開始以来1位でした。気象庁などの研究チームによると、温暖化の影響がなければ、発生し得ない現象だったといいます▼発達した雨雲が連なる線状降水帯も6月から7月上旬に相次いで発生しました。その総数も、温暖化によって約1・5倍増加し、九州地方の増加が顕著だったと評価しています▼日本での線状降水帯の発生頻度の将来を予測した研究では、産業革命前と比べ2度上昇した場合、1・3倍になり、4度上昇した場合、1・6倍になるとしました▼科学の警告は無視できません。国連の「気候野心サミット」で岸田文雄首相は、国連が準備した発言リストに載らず、発言できませんでした。対策に逆行する姿を世界にさらした形です。いつまで石炭火力に固執するのか、政策転換が待ったなしです。


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