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2023年9月19日(火)

日米共同訓練 米揚陸艇部隊が初参加

南西地域へ投入想定

 陸上自衛隊と米陸軍が北海道と、沖縄など南西地域で実施する共同訓練「オリエント・シールド23」が14日から23日までの日程で行われています。

 同訓練では、今年春に横浜ノース・ドック(横浜市)で新編された米陸軍揚陸艇(LCU)部隊が初めて参加。同部隊傘下の揚陸艇が訓練の一環として、沖縄から奄美大島(鹿児島県)に高機動ロケット砲システムHIMARS(ハイマース)や物資などを輸送しました。同部隊と陸自部隊との間で初の連携訓練も予定されるなど、南西地域への戦時投入を想定した訓練に着手しました。

 揚陸艇部隊の創設は、今年1月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で合意。米中が軍事衝突し、南西地域が戦場化することを想定し、迅速に部隊・物資を展開可能にすることを目的としています。LCUは港湾がない場所や、港湾が破壊されていても接岸可能とされています。

 防衛省も2024年度概算要求で、南西地域への輸送力強化のため、陸自に「自衛隊海上輸送群」を新編するとともに、機動舟艇3隻の取得経費を計上。米陸軍揚陸艇部隊との連携を計画していることは明らかです。

 南西地域では、10月14~31日にも陸自と米海兵隊の計6400人が参加する国内最大規模の「レゾリュート・ドラゴン23」を予定。3500人規模だった前回から拡大します。同訓練では、日本最西端で、台湾に最も近い与那国島や、今年春に開設した陸自石垣駐屯地などでも実施。石垣には陸自オスプレイが初飛来します。

 1月の日米2プラス2では、「南西諸島を含む地域での共同訓練増加」に合意。一連の訓練は2プラス2合意の具体化と言えますが、こうした実戦的訓練の強化は南西地域での中国の軍事活動を活発化させ、緊張を高めるものです。


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