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2023年9月18日(月)

主張

敬老の日

希望と安心の長寿社会でこそ

 きょうは「敬老の日」です。

 長く人生を重ねてきた人が個性と持ち味を生かし、日々の暮らしを送っている姿は、次世代を励ましています。高齢者の方々に感謝とお祝いを申し上げます。

 高齢者の人権と尊厳が保障され、長生きできる社会は、全ての年齢の人たちの安心と希望にも通じます。長寿を心から喜べる日本にしていくために、政治が責任を果たさなくてはなりません。

暮らし支える基盤強めよ

 今年、100歳以上の人は9万2139人になりました。53年連続で過去最多を更新しました。日本人の2022年の平均寿命は女性87・09歳、男性81・05歳でした。女性は世界1位、男性は同4位と、世界でトップクラスです。

 しかし、平均寿命は男女とも2年連続で前年を下回りました。厚生労働省は、新型コロナウイルスの影響が大きかったと分析しています。コロナの感染拡大は、政府の失政が続いた結果、多くの命が失われました。感染症から国民を守る医療と公衆衛生の仕組みを強めることが、長寿社会の基盤であることを示しています。

 コロナ感染は、いま「9波」となり、インフルエンザの同時流行も指摘される中で、警戒と対策の強化が必要です。とりわけ高リスクの高齢者を感染させない取り組みを重視することです。

 高齢者施設で感染防止策を講じることができるよう公的な支援を講じなければなりません。

 岸田文雄政権は、コロナ対応で無為無策を重ねるだけでなく、高齢者の医療・介護の負担増政策を進めるなど、冷たい政治を改める姿勢がありません。昨年10月、75歳以上の後期高齢者医療制度で患者本人の窓口2割負担が導入され、受診抑制が広がることが危惧されています。高齢者が経済的な理由などで医療機関にかかれない事態は、命の危機に直結します。窓口負担増を中止・撤回させることが必要です。

 食料品をはじめ生活必需品の物価高騰が高齢者を直撃しています。収入の頼みの綱である公的年金は抑え込まれています。健康を心配しながら生活のために働き続ける高齢者は数多くいます。長生きするのがつらくなる社会にしてしまった政治の責任は重大です。

 50年前の1973年、全国各地の自治体で高齢者の医療費無料化が広がる中で、国の制度として70歳以上の医療費無料化が実現し、83年まで続きました。73年当時の自民党政府が「国民福祉優先」予算を政策の目玉に打ち出す状況も生まれました。大切なのは世論と運動です。高齢者も現役世代も力を合わせ、社会保障を拡充させる政治を実現しましょう。

「新しい戦前」許さない

 岸田政権が進める敵基地攻撃能力保有や今後5年で軍事費に43兆円も投じる大軍拡に高齢者は不安と怒りを募らせています。タレントのタモリさんが昨年のテレビ番組で述べた「新しい戦前」という言葉を、自らの体験と重ね合わせた高齢者も少なくありません。

 戦争の惨禍を身をもって知る人の不戦平和の強い思いが戦後78年、日本が直接参戦する道を阻む力になってきました。戦争体験者の願いを受け止め、憲法9条を守り、生かし、「戦争国家づくり」の逆流を許さない取り組みを進めることが重要です。


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