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2023年9月14日(木)

岸田改造内閣・党役員人事 顔ぶれ

 第2次岸田再改造内閣の閣僚(初・再入閣)と自民党の新三役の横顔を紹介します。(敬称略、日本会議国会議員懇談会と神道政治連盟国会議員懇談会に所属してきた閣僚と新三役は、それぞれ「日本会議」と「神道」と略)


共謀罪めぐり強権的な運営

総務 鈴木淳司

 初入閣。安倍政権で総務副大臣、経済産業副大臣などを歴任。2017年に衆院法務委員長として「共謀罪」法案の審議をめぐり政府・与党言いなりの強権的な委員会運営を行い、野党から解任決議案を提出されました。

 22年には「自民党の原子力規制に関する特別委員会」の委員長として、原発再稼働の審査効率化を提言。原発攻撃を想定した訓練の徹底を求めた内容に対して、当時の山口壮環境相兼原子力防災担当相から「ミサイルを防げる原発はない」と異論が出ました。

 衆院愛知7区、当選6回、65歳、安倍派

 日本会議、神道

郵政民営化で欺まん的態度

法務 小泉龍司

 初入閣。東大卒業後、旧大蔵省に入省。証券局調査室長を最後に退官し、日本たばこ産業で経営企画部長を務めました。無所属で00年の総選挙で当選し同年自民党へ入党しました。05年の総選挙では郵政民営化法案の修正を求めたために公認を外され落選。“造反組”として知られましたが、選挙区内では「民営化そのものには賛成で、構造改革も断行します」とするビラを配布しました。

 無所属で当選を重ね、17年総選挙前に自民党に復党。現在党国際局長代理を務めています。

 衆院埼玉11区、当選7回、70歳、二階派

 神道

夫婦別姓制度“ブレーキ役”

外務 上川陽子

 安倍・菅政権で3回法相。21年総選挙のアンケート(朝日)で改憲について「どちらかと言えば必要」と回答し、緊急事態条項の新設を求めています。

 選択的夫婦別姓制度に「賛成」と表明した過去を持ちますが、法相就任後に「国民の意見が大きく分かれている」などと述べ、導入にブレーキを踏み続けてきました。

 オウム死刑囚7人の死刑執行前日の18年7月5日、自民党議員の交流の場「赤坂自民亭」で、安倍首相(当時)の隣で「いいね」ポーズで写真に納まったのが拡散し、SNSで「おぞましい」などの批判にさらされました。

 衆院静岡1区、当選7回、70歳、岸田派

 日本会議、神道

統一協会関連会合に出席も

文部科学 盛山正仁

 初入閣。旧運輸省、環境省、国土交通省などを経て、05年の総選挙で初当選。第2次安倍政権で法務大臣政務官を務め、15年には法務副大臣に就任。17年の「共謀罪」法案の審議では一般人も「捜査の対象になりうる」と認めたにもかかわらず、その後、「修正」しました。

 自民党の調査に統一協会関連団体の会合に出席しあいさつしたことがあると回答。党内では、国交部会長、国会対策委員会副委員長などを歴任。教育のICT化議連などで幹事長を務めています。

 衆院比例近畿選出、当選5回、69歳、岸田派

コロナの下で五輪を正当化

厚労相 武見敬三

 自民党のコロナ対策本部長代理として、医療逼迫(ひっぱく)を招き犠牲者を増加させた岸田政権の「なりゆきまかせ」の対応に、一役買ってきました。21年夏には、感染爆発を招くと東京五輪の中止を求める世論に耳を貸さず、「これからは感染症の時代。五輪は(感染制御の)試金石だ」(同年6月のテレビ番組)と正当化していました。

 東海大学教授などを経て1995年に初当選。厚生労働副大臣などを歴任し、今回が初入閣です。父は元日本医師会会長で、麻生太郎副総裁は親戚です。

 参院東京選挙区、当選5回、71歳、麻生派

放送界に圧力 野党から批判

農林水産 宮下一郎

 初入閣。父は元厚生相の宮下創平氏で、地盤を受け継いだ世襲議員。安倍政権のもとで財務副大臣や内閣府副大臣を歴任し、現在は自民党政務調査会長代理。

 2020年に改定新型インフルエンザ等対策特別措置法案の国会審議で、内閣副大臣として「民放を(指定機関に)指定して放送内容について変更、差し替えをしてもらうことは、あり得る」と答弁。野党から批判が出て、撤回しました。

 07年に安倍晋三首相(当時)の外交を支持する「靖国」派議員による「価値観外交を推進する議員の会」に参加しています。

 衆院長野5区、当選6回、65歳、安倍派

 日本会議、神道

憲法審査会で改悪論を推進

環境 伊藤信太郎

 初入閣。01年、衆院補欠選挙で初当選。福田康夫政権で外務副大臣を歴任。父は元衆院議長の伊藤宗一郎氏で、父の地盤を引き継いだ世襲議員です。

 04年、「海外派遣自衛隊を支援する国会議員の会」に参加。現在は、憲法審査会幹事として、憲法9条を含む憲法改悪を推し進めています。

 衆院宮城4区、当選7回、70歳、麻生派

 日本会議、神道

武器輸出解禁協議メンバー

防衛 木原稔

 初入閣。安倍政権で財務副大臣や安保担当の補佐官等を歴任。2015年の「沖縄県慰霊の碑」の式典で安倍首相に参加者から怒号が飛んだことについて、「明らかに動員されていた」と発言しました。

 また、9条改憲を強く主張。昨年の安保3文書に基づいた殺傷武器の輸出全面解禁に向けた与党協議のメンバー。

 衆院熊本1区、当選5回、54歳、茂木派

 日本会議、神道

政党助成金のため込み発覚

復興 土屋品子

 初入閣。第1次安倍政権で環境副大臣、第2次安倍政権では厚労副大臣を務めました。党内では、副幹事長、政調副会長、総務副会長、女性活躍推進本部長などを歴任しました。父親は参院議長や埼玉県知事を務めた土屋義彦氏です。

 厚労副大臣当時、みずから支部長を務める政党支部で受け取った政党助成金を400万円超使い残したにもかかわらず国庫に返納せずにため込んでいたことが発覚しました。

 衆院埼玉13区、当選8回、71歳、無派閥

政治資金報告 市民から告発

公安・防災 松村祥史

 初入閣。04年の参院選で初当選。経済産業大臣政務官、第3次安倍内閣で経済産業副大臣などを歴任し、現在は自民党の総務会長代理。「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の事務局次長です。

 10年の参院選で自身が代表の自民党支部の政治資金収支報告書に寄付の記載のない、出所不明の計3500万円の選挙資金を調達したとして、市民団体から政治資金規正法違反の疑いで告発されました。

 参院熊本、当選4回、59歳、茂木派

 神道

公共事業受注 企業から寄付

少子化 加藤鮎子

 初入閣。父の加藤紘一元自民党幹事長の後継指名を受け、14年衆院選で初当選。国土交通大臣政務官、環境大臣政務官などを歴任。現在は自民党政務調査会厚生労働部会長代理。

 17年衆院選の公示4日前、加藤氏が代表を務める自民党山形県第3選挙区支部が、国の公共事業を受注した建設会社2社から計400万円の寄付を受けていたことが明らかになっています。

 衆院山形3区、当選3回、44歳、谷垣グループ

 神道

改憲推進する中心的な人物

経済再生 新藤義孝

 埼玉県川口市議などを経て1996年衆院選で初当選。第2次安倍政権で、総務相を歴任しました。2018年に衆院憲法審査会の自民党筆頭理事に就任。岸田政権が改憲に向けた体制整備として、自民党の「憲法改正推進本部」を改称した「憲法改正実現本部」の事務総長で、改憲を推進する中心人物の一人。

 01年の日本歯科医師連盟(日歯連)事件で1億円の小切手=ヤミ献金を受け取った橋本龍太郎元首相から同年末に「モチ代」を受け取っています。

 衆院埼玉2区、当選8回、65歳、茂木派

 日本会議、神道

コロナの下でパーティーも

地方創生・沖縄北方・万博 自見英子

 安倍政権で厚生労働政務官、第2次岸田政権で内閣府政務官を歴任し、今回初入閣。日本医師連盟の参与。「こども庁」の創設を主張してきました。父は自見庄三郎元郵政相。

 新型コロナ対策の「まん延防止等重点措置」が東京都などに出ている21年4月、政治資金パーティーを開催し、メディアなどから批判を浴びました。

 参院比例、当選2回、47歳、二階派


自粛要請下で幹部5人会食

総務会長 森山裕

 安倍政権下で17年から歴代最長の4年にわたり、国対委員長を務めました。第2次岸田改造内閣では、選対委員長に就任。農水相と財務副大臣を歴任していました。

 国対委員長を務めていた21年、自民党の二階俊博氏、公明党の石井啓一幹事長ら与党幹部5人で会食。政府が新型コロナの感染対策のため自粛要請している中での会食実施に国民から強い批判が上がりました。

 感染拡大をめぐり、医療体制の強化や、暮らしの支援などを講じるため野党が求めた臨時国会召集要求を拒否しました。

 衆院鹿児島4区、当選7回(参院1回)、78歳、森山派

 日本会議、神道


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