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2023年9月7日(木)

週4日労働 米で機運

実証実験で生産性向上確認 労使ともに高評価

導入すれば「成功する」82% 議会に法案も

 【ワシントン=島田峰隆】米国で週4日労働制の導入へ関心や期待が高まっています。米国とカナダの企業が行った実証実験では労働時間の短縮で労働者のストレス軽減や生産性の向上が確認されました。世論調査でも約8割が週4日労働制は成功すると回答。連邦議会には前会期に続いて週4日労働制法案が提出されています。

 米民主党進歩派のサンダース上院議員は4日の「レーバーデー(労働者の日)」に合わせて発表した英紙ガーディアンへの寄稿で「賃下げなしに週4日労働制へ移行する時だ」と訴えました。サンダース氏は、現代では技術革新が進んで生産性が上がっていること、フランスではすでに週35時間労働であり、欧州で週32時間労働を目指す動きがあることを指摘。「週4日労働制への移行は過激な考えではない」と強調しました。

 英国の民間非営利団体「週4日グローバル」は7月下旬、米国とカナダの41企業が2022年あるいは23年に半年間行った週4日労働制の実証実験の結果を発表しました。

 企業側は生産性の向上や離職率の低下などがみられたと回答し、全体として10段階評価で8・7の高評価を付けました。参加したすべての企業が週4日労働制を今後も続ける意向を示しています。

 労働者側も9・0の高評価を付け、95%が週4日労働制の継続を希望しました。労働時間の短縮によって約7割が仕事による燃え尽きが減ったとし、5人に2人はストレスが軽減したと答えました。

 米調査会社が8月に発表した世論調査によると、米国での週4日労働制導入について「成功する」「ある程度成功する」と答えた人は82%、「関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人は87%に上りました。いずれも1981~96年生まれのミレニアル世代でもっとも多くなっています。

 連邦議会では3月、民主党の進歩派議員らが、今後3年かけて現行週40時間の労働時間を32時間に短縮する法案を提出しました。前会期でも提出していた法案です。民主党「進歩議員連盟」の共同代表ジャヤパル下院議員は「米国ではあまりにも長い間、企業の利益が優先され、労働者は長時間労働を余儀なくされてきた」と強調しました。

 米東部メリーランド州の議会にも今年1月、週4日労働制の実証実験を広げる法案が提出されています。


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