2023年8月30日(水)
オスプレイ 相次ぐ墜落
米軍 直近2年で3機 12人死亡 累計死者57人
それでも飛行停止求めぬ日本政府
(黒丸数字は人数) | |
【開発段階】 | |
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92・7・20 | 7米本土 |
00・4・8 | 19〃 |
00・12・11 | 4〃 | 【実戦配備後】 |
10・4・8 | 4アフガニスタン※ |
11・7・7 | 1アフガニスタン |
12・4・11 | 2モロッコ |
14・10・1 | 1ペルシャ湾 |
14・5・19 | 1米本土 |
15・5・17 | 2ハワイ |
17・7・11 | 1米本土 |
17・8・5 | 3オーストラリア沖 |
22・3・18 | 4ノルウェー |
22・6・8 | 5米本土 |
23・8・27 | 3オーストラリア |
合計 | 57人 |
※空軍のCV22オスプレイ |
また悲劇です。米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイが27日、オーストラリア北部ダーウィン北側のメリビル島で訓練中に墜落。3人が死亡し、5人が病院に搬送されました。
事故機が普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属かどうか注目されていましたが、海兵隊は29日、ハワイの部隊に所属していると明らかにしました。米海兵隊は2012年以来、オーストラリアに2000人規模のローテーション(一時駐留)部隊を配備しており、オスプレイもその一部を構成していました。
MV22は昨年、2機が相次いで墜落。わずか2年で3機が事故で墜落し、12人が死亡しています。オスプレイは開発段階から重大事故が相次いでおり、空軍のCV22を含めれば、死者は1992年以来の累計で57人(表)。戦闘ではなく、すべて事故という異常事態です。
オスプレイは両翼に回転翼とエンジンを有し、ローターの角度を変えることで固定翼機のようにも、ヘリのようにも飛行できることを特性としていますが、昨年発覚したクラッチの不具合(HCE)など、さまざまな欠陥が露呈。「構造的欠陥機」と指摘されています。
日本には現時点で、米軍と自衛隊あわせて44機のオスプレイが配備されており、米国以外で最多です。オスプレイの安全性をめぐっては、各地で不安の声が繰り返し上がっていますが、浜田靖一防衛相は29日の記者会見で、「現時点で飛行の停止を求めることまでは考えていない」と明言しました。
しかし、これだけの事故が続いている以上、乗組員だけでなく住民を巻き込んだ事故が起こる前に、配備の是非そのものを問う段階に来ています。