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2023年8月30日(水)

県立病院 岩手知事選 争点に

たっそ氏「地域医療守る」

千葉候補「維持は厳しい」

医師増員も進めた たっそ氏

 岩手県内で新型コロナの患者が急増する中、県内に20ある県立病院の維持、あり方が岩手県知事選(9月3日投票)の争点に浮上し、「オール岩手」の、たっそ拓也候補(59)と自民党丸抱えの千葉絢子候補(45)との立場の違いが鮮明になっています。


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(写真)政策を訴える、たっそ拓也知事候補=28日、岩手県滝沢市

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(写真)被災後、高台に再建された県立山田病院=29日、岩手県山田町

 たっそ県政は全国一の20ある県立病院で、医師数を2569人(2006年度)から2700人(20年度)へ拡充しました。被災した三つの県立病院をすべて再建し、管内の新型コロナ入院患者の7割を受け入れたのが県立病院のネットワークでした。

 たっそ候補は、岩手日報の21日付「論点・争点」で、「県立病院を軸とした医療連携がかなり発達している。このネットワーク力で地域医療を守っていく」との見解を示しました。

 一方の千葉候補は、「人口規模からすると、20ある県立病院を維持していくのは非常に厳しくなる」と述べ、告示前の「公開討論会」では県立病院維持に200億円投入を疑問視したことと合わせ、地域医療を守る県立病院の役割に否定的な発言を繰り返しています。

奨学金制度設置

 千葉候補はまた、たっそ県政の下で「慢性的な医師不足は変わっていない」と攻撃しています。しかし、たっそ氏は、地域医療を守るために国に医師数の増員を強く要求し、県立病院の医師数を確実に増やしてきました。

 岩手県は、医学部を卒業後に県の医療機関で働く医師を増やすため、医師養成奨学金制度を設置。今年4月1日現在、151人と、これまでで最も多い奨学生医師が県内の医療機関に配置されています。

 「都道府県の取り組みには限界がある」として、たっそ氏は20年、他県に呼びかけて、「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」を結成(現在は12県)。今年は7月に国に対して、提言を行いました。

 「誰もが必要な医療が受けられる体制や、医療従事者の働きがいのある環境」を求め、7600字にも及ぶ、具体的で現実的なものばかりです。

自民政治の責任

 もともと医師不足の責任は、自民党政府にあります。たっそ知事が初当選した07年に日本共産党は、深刻な医師不足を打開し、医療崩壊から地域を守る提言を発表。「政府はこの四半世紀、『医師が増えれば医療費が膨張する』と宣伝し、『医学部の削減』を閣議決定までして医師の養成を抑制してきた」と批判し、計画的な増員を図るように提案していたのです。

 同年11月には、斉藤信県議を先頭に岩手の党の地方議員団が上京し、厚労省に、医師不足で「お産ができない」「救急医療の対応がとれない」などの地域の深刻な状況を示し、県立病院や自治体病院の医師確保を強く要望していました。


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