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2023年8月28日(月)

きょうの潮流

 性暴力の被害者・加害者を生まないとして文部科学省がすすめる「生命(いのち)の安全教育」。小学生向けの教材には水着で隠れる部分は人に見せたり触らせたりしないようにとあります▼「障害のある人の中には、自分の性器にふれることを肯定的にとらえていない人がいる」と河村あゆみさんは話します。大切なところだから触ってはいけないと教えられ、生理のケアが適切にできず性器のかぶれが生理痛だと勘違いしていた女性もいたと▼「性教育のネグレクト(放棄)はからだのケアまで止めてしまう」。河村さんは、障害のある青年たちが人間関係や性の多様性などを包括的性教育の観点から学びあう会にかかわっています▼青年たちの多くはふれ合いの機会がほとんどありません。ふれて心地よいところ、いやなところを知らず、自身のからだの主人公になれていないといいます▼オンラインで学びあうとき、知的障害者の恋愛・結婚・子育て、体の仕組みなどをテーマにしたテレビ番組などの動画を使います。河村さんら支援者が大切にするのは、障害のある仲間から発せられる疑問やつぶやき。次につなげます。「女性もセルフプレジャー(自慰)するの?」。ある男性の仲間の疑問に答えようと取り組んだときは、スタッフは悩みながらも力が入ったとか▼自分自身のからだや心の快を理解し、自身の良さを知る。そうしてこそ、お互いを尊重する豊かな関係性を築けるように。人権を大切にする包括的性教育の推進こそが、求められます。


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