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2023年8月13日(日)

主張

働く女性過去最多

職場のジェンダー平等は急務

 総務省の2022年就業構造基本調査(7月21日公表)によれば、働く女性が3035万4000人と過去最多になりました。15歳以上の働く女性は5年前から120万人以上増え、女性の就業率で見ても過去最高の53・2%です。

 一方で、賃金や労働条件、管理職比率など主要な点で男女格差は依然大きいままです。この改善なしにジェンダー平等の前進はありません。

選択できる生き方の土台

 結婚・出産後も働き続けたい女性は増えています。23年版男女共同参画白書によれば、20代で「子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」と考える女性は、2000年の30・3%から19年の57・7%へ2倍近くなりました。30代は36・1%から68・4%へ、40代では40・2%から73・7%へ、それぞれ大幅に増えています。

 かつては「子どもが大きくなったら再び職業を持つ方がよい」とする女性が多い傾向でした。そう考える20代の女性は2000年の46・2%から、19年の20・6%と半減するなど、約20年間で意識は大きく変わっています。

 同白書は、家族の形の変化も指摘しています。男女雇用機会均等法が成立した1985年、働く夫と家事専業の妻からなる家庭は936万世帯、共働き家庭は718万世帯でした。90年代半ばに逆転し、22年では共働きが1191万世帯で、片働きの430万世帯の3倍近くです。結婚・出産後も働き続ける人が多数になると同時に、ひとり親世帯や1人暮らしの女性も増えています。どのような生き方を選択しても、誰もが安心して生きられる社会の実現が求められています。しかし現在も、職場における女性の地位は低く、管理職に占める女性比率は12・9%にすぎません(同白書)。

 昨年7月に始まった男女賃金格差の公表制度(301人以上の企業対象)では、大企業の立ち遅れた実態が明らかになりました。経団連の会長・副会長企業、名誉会長や会長を歴任した企業では、正規雇用でも女性の賃金割合は男性の4割から8割です。40・1%(日本生命保険)、43・1%(みずほフィナンシャルグループ)にとどまる企業もありました。日本生命では非正規雇用は33・3%です(本紙2日付)。経団連と大企業は、賃金格差の本格的是正をはかる立場に直ちに立つ必要があります。

 働く女性は増えても長時間労働が改善されなければ、多くの女性が子育てと家庭責任を担わざるをえません。そのため働く女性の過半数が非正規雇用です。女性の低賃金は1人暮らし女性の貧困、老後の低年金にも直結しています。賃金の平等はジェンダー平等社会を築く上で土台中の土台です。政府が責任をもって改善に取り組むべきです。

力合わせ格差の是正を

 賃金格差の公表制度は、働く女性の長年の運動と結んで、日本共産党国会議員団が繰り返し国会で取り上げて実施を迫った結果、実現しました。声を上げれば前進できます。さらに効果的な公表制度への改善、企業に格差の改善計画の実施、抜本的な賃上げを求めていくことが急がれます。

 雇用のジェンダー平等の前進、差別禁止の実効ある法整備、均等待遇の実現へ、ともに力を合わせましょう。


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