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2023年8月5日(土)

風力発電「基準見直せ」と国会質問

自民・秋本議員

真相究明求められる

 洋上風力発電を手がける「日本風力開発」側から多額の資金提供を受けた疑いが浮上した自民党の秋本真利衆院議員。同党のホームページによると、秋本議員は党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の事務局長を務めていました。焦点は、洋上風力発電を利権にした癒着構造の解明です。

 2018年、洋上風力発電の普及に向けて一般海域の占用ルールを規定するなど事業者が参入しやすい条件を整える「海洋再生エネルギー整備法」が成立。秋本議員は、衆院国土交通委員会(同年11月21日)で「国土交通政務官として1年2カ月、この法案の作成に関わってきた」と述べています。

 報道によると、日本風力開発は秋田県沖のプロジェクトへの参入を目指していました。政府が最初に事業者を公募した秋田県沖を含む促進区域3カ所のプロジェクトは21年12月、いずれも三菱商事を中心とする企業連合が落札しました。

 その後、秋本議員は「スタートラインが公平じゃない」「2回目から見直していただきたい。政治判断をしていただきたい」(22年2月17日、衆院予算委分科会)と述べ、次回から入札の評価基準を「運転開始時期」重視に見直すよう求めました。

 経済産業省と国土交通省は同年10月、多数の事業者に参入機会を与えるとして評価基準を見直しました。新たな評価基準には、秋本議員が求めた通りに「事業計画の迅速性(運転開始時期)」などが盛り込まれました。

 西村康稔経済産業相は4日、見直しの経緯について「秋本議員が事務局長を務めている再エネ議連から提言をもらったことはある」と認めました。

 事業者側から資金の提供を受けた秋本議員や議連の提言によって、企業に便宜が図られたことはなかったか、徹底的な真相究明が求められています。(丹田智之)


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