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2023年8月3日(木)

全国都道府県委員長会議への小池書記局長の報告

 日本共産党全国都道府県委員長会議で、小池晃書記局長・「大運動」推進本部長が2日に行った報告は次のとおりです。


 会議の目的は、7月の結果をふまえ、何としても「大運動」を成功させるために、8月、この運動を、文字通りの全支部・全党員の運動にしていくために何が必要かについて問題提起を行い、討論で深め、固い意思統一をはかることであります。

7月の「二つの大仕事」の結果について

写真

(写真)報告する小池晃書記局長=2日、党本部

 7月、全党は、「二つの大仕事」に力を注いできました。

 「第一の大仕事」である8中総決定の全支部・全党員への徹底は、どうだったか。討議・具体化を開始した支部は62・2%、読了された党員は22・6%、「特別決議」の討議・具体化が20・7%です。

 8中総決定の討論は、どこでも党に新たな勇気と活力をもたらしており、さまざまな疑問も率直に出し合って議論をつくせば強固な団結がつくれることは明らかになっています。にもかかわらず、「党の命運がかかった決定」が、全党のものになっていないことは、私たちの活動の大きな弱点と言わねばなりません。

 「第二の大仕事」である党勢拡大はどうだったか。7月の結果は、党員拡大で、6162人に入党を働きかけ、641人が入党を申し込まれました。ひと月の入党者としては20年9月以来のものとなりましたが、現勢での前進にはとどいていません。「赤旗」読者拡大では、電子版を含む日刊紙が60人増、日曜版247人増となりました。

 7月は、党勢拡大が止まっている状況から、7月10日の幹部会、21日の「緊急の訴え」、24日の幹部会で、くりかえし党づくりへの決意、構えを問い直しながら、とりわけ根幹の党員拡大の運動を起こすことに力を注ぎました。

 7月の結果は、第一歩ではありますが、明らかな前向きの変化をつくったといえるものです。猛暑の中での全党の大奮闘に、心から敬意を表します。

飛躍のカギは、全支部、全党員の運動にしていくこと

 同時に、率直に問題点を指摘しなければなりません。

 第一に、各都道府県が掲げた7月の目標、そして「130%の党」をめざして前回党大会時回復・突破にむかう大きな前進をつくるという課題からは、大きな開きがあることです。

 第二に、同じ情勢、同じ条件のなかで取り組みながら、県によってかなりアンバランスがあることです。

 そして第三の問題――これが最大の問題ですが、党員拡大で働きかけに踏み出した支部は15・1%、読者拡大で成果をあげた支部は2~3割であり、「大運動」がまだ少数の支部と党員によって担われていることにあります。これを全支部、全党員の運動にしていくことが、飛躍をつくりだす決定的なカギとなっています。

 この点で学ぶべきは、福岡県委員会の取り組みです。福岡県党は、7月、36・3%の支部が入党の働きかけを行い、81人の党員を迎え、党員現勢でも前進の見通しとなっています。加えて、福岡県では、全ての支部が入党の働きかけに踏み出し、新しい党員を迎えることを一貫して追求しています。

 なかでも福岡西部地区は56・5%の支部が入党の働きかけに踏み出し、新たに15人を迎えました。地区内の福岡市西区や糸島市では100%の支部が踏み出しています。

 福岡では、いまの党への攻撃について、わが党の綱領、規約、指導部、つまり「心臓部」にかけられた攻撃だ、ならばこれを党勢拡大によって打ち破ろうではないかと、政治指導の核心をつかみ、攻撃を逆手にとって前進に転化させる深い政治的な意思統一を行っています。

 いま一つの重要な点は、全支部が入党者を迎えることを徹底して追求し、支部に入って8中総を討議し、党勢拡大を正面にすえて議論し行動を具体化していることです。

 両方とも、大いに学ぶべき教訓です。会議では、福岡の取り組みと教訓に学び、お互いに率直な自己検討を行うことを、心からよびかけるものです。

 中央としても、活動の改善・強化の方向について突っ込んで議論しました。

 昨年の6中総の結語では、「現場が一番苦労している問題、困っている問題を、ともに解決していくという姿勢を貫く」とし、全国遊説の際などに、「党建設のさまざまな困難の打開のための懇談の機会を設ける」としました。そこで、あらためて、常任幹部会委員全員が、手分けして現場に出かけていって、懇談の機会をもうけていただき、ともに困難を打開する活動を行っていくことを確認したことも報告します。

 「二つの大仕事」はどちらも中途であり、本格的に前に進んでいるとは言えません。現状をどう打開し、どう飛躍を起こすか。なかでも最大の課題は、どうやって「全支部・全党員の運動」にしていくかにあります。

 この会議を2日間にしたのは、まず私たち中央と都道府県委員長のところから、底をついた議論をし、確固たる構えを確立しなければ突破できないと判断したからです。

 率直な討論、徹底した議論で、この8月、「大運動」を全支部、全党員の運動にしていくための確固たる構えを確立しようではありませんか。

8月こそ、8中総をくりかえし討議し、全党員に徹底しよう

 8中総決定の徹底は、この8月こそやりきらないといけない課題です。

 党内には、まだ少なからぬところに「情勢負け」ともいうべき状態があったり、いろいろな疑問を抱えている状況があります。それを打ち破る力を8中総はもっていますが、8中総が伝わらなければ、力が出ないまま推移することになってしまいます。

 徹底の際、次のような点を重視していきます。

党攻撃を前進の力に転化――8中総決定の核心部分をつかむ

 8中総決定の核心は、わが党への攻撃を前進の力に転化すること、わが党が支配勢力との攻撃とのたたかいのなかで鍛えられ、成長していく――「政治対決の弁証法」にあり、このことを深くつかむことが極めて重要です。

 8中総決定は、“なぜ共産党はバッシングされるのか”ということを、革命政党であることとの関係で明らかにしました。そして、7月24日の幹部会のまとめで、志位委員長は、いま求められている政治指導の核心は何かとズバリ問いかけ、わが党に対する攻撃を前進の力に転化する、そういう攻勢的な政治指導をやろうと訴えました。

 攻撃に対して、「たいへんなことが起こった」とひるむのではなく、「これはチャンスだ」ととらえる。このことが8中総決定と、党創立記念日の志位委員長の「入党のよびかけ」の核心であり、根本精神だと強調したのです。

 この間、維新の会の馬場代表が、わが党について、「日本からなくなったらいい政党」と、民主主義否定の暴言をのべ、わが党は強く抗議し撤回を求めました。

 これをめぐって各界の識者やジャーナリストたちから理性の声があがっています。

 朝日新聞の7月30日付の投書欄には共産党員でも支持者でもないという人の次のような内容の投書が掲載されました。

 小池書記局長が「党の存在そのものを否定するのは民主主義を根本から否定する暴論」と撤回を求めたのは当然だ。どの政党の政策が良いか、最終的な判断は有権者が行うものだ。ある政党が他の政党の政策を批判することはあっても、存在まで否定する権利はなく、思い上がりとしか思えない。

 こうした市民の良識ある声が広がりつつあります。

 わが党が、8中総決定を掲げて、攻撃に正面からたちむかい奮闘するならば、それは前進の力へと転化させることができる。この間の一連の動きはそのことを明瞭に示すものではないでしょうか。

 これらをしっかりつかめるよう、支部でも党機関でも8中総をくりかえし討議し、「感想をだしあった」「理解、納得した」というところにとどめず、「攻撃はチャンスだ」「この決定で党攻撃をはねかえせるし、誇りをもって語っていこう」「この決定で党をつくって、130%の党をつくりあげよう」という、深いところからの確信と決意になるまで徹底しようではありませんか。

『百年』史を学び、新たな推進力に

 先日発表した『日本共産党の百年』を学び、8中総討議、徹底でもおおいにその感動を語って、全党がたたかえる党になっていくことを訴えます。『百年』史は、志位委員長が記者会見で述べたように、「階級闘争の弁証法」の考え方が根本にすえられ、すべての章に貫かれています。どの章を読んでも、「たたかいの弁証法」がつかめるものとなっています。

 神奈川の斉藤のどか川崎市議会議員は、ツイッターで『百年』の感想をこうつづりました。

 「101年も続いた共産党が、私たちの世代を最後になくなってしまうのでは、と夜も寝られないほど悩み、焦っていました。でも改めて1世紀の歴史を振り返ると、日本共産党は日本が存在する限り、そしてそこに社会をもっとよくしたいと思う人がいる限り、絶対になくならないと確信。元気が出ました」

 滋賀県では、この間入党を働きかけてきた40代の女性が、「ツイッターで、100年史ができたのを知った。ぜひ読みたいので注文したい」と言ってきて購入されました。この女性は、夫から入党を反対され、党史についても「悪く言われているよ」と話していたため、「これで真実が伝えられる、夫に話ができる」との思いで購入したそうです。翌日、支部と黄野瀬前県議が再度入党を訴えると、夫には「どうせ共産党のいうことは実現しない」と言われたそうですが、「私はあきらめたくない」と入党を申し込まれました。

 『百年』史はこのような魅力と威力を持っています。タブロイド判は、4万9千部という党史としては空前の規模の注文となっています。『百年』史を8中総徹底と「大運動」の新たな推進力にしていこうではありませんか。

「大運動」をどう飛躍させるか

 この8月、「大運動」の飛躍をどうはかるか。8中総決定を基本にすえながら、7月の教訓をふまえ、次の諸点を重視して取り組みましょう。

「130%の党」、大会時回復・突破を正面にすえて8月目標を

 まず8月の党勢拡大の目標をどういう構えで設定するか。多くの県・地区が、「130%の党」づくりへの「最初のハードル」である、党勢の前回党大会時の回復・突破の期日を、8月あるいは9月に設定しています。この突破をはかるために、8月どこまで到達させるか、8月目標を明確にし、その目標達成を正面にすえた議論を行うことを訴えます。

 「8月はお盆があるから」「さまざまな行事もあるから」と、いつもの8月に加えて、少し頑張ろうというようなことでは、「130%の党」は実現しません。大会時回復という「最初のハードル」を突破していく正念場として、8月目標を真剣に議論して決め、断固としてやりぬく月にしようではありませんか。

8月に全支部が入党の働きかけに踏み出そう。全支部が読者拡大で成果をあげよう

 8月目標を実際にやりぬくことができるかどうかは、すべての支部とすべての党員の総決起にかかっています。

 この8月に、すべての支部が、入党の働きかけに踏み出しましょう。そして、新しい党員を迎えることをめざしましょう。読者拡大では、8月に、すべての支部が、成果をあげましょう。

 7月、入党の働きかけに踏み出した支部は15・1%でした。しかしこれを文字通り100%に引き上げるならば、数倍の規模の運動に発展します。

 7月、読者拡大で成果をあげた支部は2~3割でしたが、これを文字通り100%に引き上げるならば、読者拡大でも一大飛躍がかちとれます。

 入党の働きかけにあたっては、志位委員長の「党創立101周年の入党のよびかけ」を、働きかけの中心にすえて、読み合わせるなどして、引き続き活用しましょう。

 8月を、党勢拡大を文字通り全支部・全党員の運動にしていくことに正面から挑戦し、掛け値なしにやりとげ、「大運動」の一大飛躍をつくる月にしようではありませんか。

「手紙」と「返事」の取り組みを全支部に広げ、運動の推進力にしていこう

 全支部の運動にしていくうえで、決定的な推進力にしていく必要があるのが、「手紙」と「返事」の取り組みです。

 「手紙」を討議した支部は85・8%、「返事」を寄せてくれた支部は46・2%です。

 8月に、文字通りすべての支部が「手紙」を討議し、「返事」を寄せることができるよう、力をつくすことを訴えます。

 この間の特徴は、8中総決定を討議した支部が、8中総のよびかけにこたえて、新たに「返事」を寄せてくれる動きが広がりつつあることです。

 宮崎のある地域支部から寄せられた「返事」には、支部で8中総を学び、「討論が脱線し大笑いするのが支部の特徴です。『手紙』の読み合わせは3回行いました。少しでも全員の意見を反映した『返事』にしたいという考えからです。当面、党大会時の回復をめざし、7月、8月は党員1人、日刊紙2人、日曜版15人をめざします」と書かれています。熱心な議論の様子が伝わってきます。

 大阪のある職場支部からの「返事」も、読ませていただきました。「8中総は、ライブで視聴し、燃えるような、震えるような感動を覚えました。…自らが革命家であることを肝に銘じて『130%の党』づくりに挑戦したいと思います」「『返事』は忙しさにかまけて書けていませんでした。しかし先日、志位委員長が人知れず『百年』史の編纂(へんさん)を続けてきたことを知り、私も筆をとることにしました」と書かれています。

 こうした「手紙」と「返事」の取り組みは、間違いなく、党づくりへの新たな意欲と、一体感、連帯感を広げています。この8月に全支部で8中総と「手紙」を討議し、必ず「返事」を送ってもらうことに、全力をあげましょう。党機関はそのために独自の手だてをとりましょう。「返事」を寄せてくれた支部には、その決意を実践できるよう援助するとともに、困難をともに打開していく努力をはかりましょう。

 「手紙」と「返事」の運動は、7中総、8中総で、党勢拡大を支部の自発性・創意性に支えられた前進と飛躍の軌道にのせるうえで、わが党の党建設の歴史的教訓に学び、最も重視すべき活動としてすすめてきたものです。この8月、「大運動」を文字通り全支部の運動にしていくために、「手紙」と「返事」を推進力にしていくことを強く訴えるものです。

保険証の存続、大軍拡追及で岸田政権を解散・総選挙に追い込もう

 そして、岸田政権を解散・総選挙に追い込むたたかいで政治的な大攻勢をかけながら、党をつくっていくことをよびかけます。

 マイナンバーカードへの保険証の一体化は、法案は強行したものの、その大破綻がいよいよあらわになっています。党は、7月11日に国民へのアピールを発表し、署名に取り組んでいますが、どこでも熱い反応が共通して寄せられています。この問題では、「しんぶん赤旗」が、マイナ保険証を無理やりすすめようとする根本に財界の動きがあることを告発し、大きな反響を呼んでいます。“マイナンバーカード暴走”を止めるために、意気高く奮闘しようではありませんか。

 この夏、岸田政権の敵基地攻撃能力保有、43兆円の大軍拡という「戦争か、平和か」の歴史的岐路のもとで、広島・長崎の被爆78年、終戦78年の日を迎えます。原水爆禁止世界大会をはじめ、核兵器廃絶、反戦平和の国民運動もさまざまな形で取り組まれます。それらを一つひとつ成功させましょう。

 8月、たたかいに大いに打って出て、岸田政権を解散・総選挙に追い込みましょう。国民運動と一体に強く大きな党をつくる8月にしようではありませんか。

「車の両輪」、青年・学生党員の拡大、地方議員の学習交流会、職場講座を推進力に

 中央として、8中総決定にもとづいて、さまざまな新たな努力を開始しています。そのすべてを「大運動」の飛躍につなげていただくことを訴えます。

 7月22日の「要求運動・『車の両輪』・オンライン交流会」では、要求実現のたたかいに取り組みながら、党勢拡大の独自追求に取り組む「車の両輪」の活動で前進をきずいている豊かな経験が交流されました。これもぜひ視聴し、8中総実践に生かして、たたかいと一体に党をつくりましょう。

 若い世代・真ん中世代の「党勢倍加」にむけて、青年・学生、労働者、真ん中世代の党づくりの前進を、この8月からつくりだすことが不可欠です。7月31日に吉良よし子・青年学生委員会責任者が発表した「若い世代への入党のよびかけ」をただちに活用し、盆前から民青拡大と共に青年・学生党員の拡大に取り組みましょう。

 労働者、真ん中世代の党づくりで見るべき前進をつくり、8月22、23日の「若い世代・真ん中世代の地方議員の学習・交流会」、9月2、3日の「職場支部学習・交流講座」に、「大運動」の成果をもちよろうではありませんか。

党機関とその長の構え・姿勢にかかっている

 最後に都道府県委員長のみなさんに率直に呼びかけます。

 8月を「大運動」で飛躍をつくる月にすることができるかどうかは、党機関とその長の構え・姿勢にかかっています。

 冒頭にのべたように、7月、前進の一歩を踏み出しましたが、私たちには深い自己分析と打開が必要な三つの問題があります。

 第一は、「130%の党」という目標に照らして、私たちの運動の水準には大きな開きがあることです。

 第二は、同じ条件のもとで取り組みながら、都道府県によって大きなアンバランスが生まれていることです。

 そして第三は、全支部、全党員の運動にしていくうえで、私たちの活動の水準を大きく引き上げる必要があるということです。

 この三つの点で、それぞれの都道府県委員長の同志の構えと姿勢がどうだったか。率直な自己検討と打開への決意を議論していただき、8月を、「大運動」を成功させ、「130%の党」への道を切り開く月とすることを強く訴えます。

 8月目標の達成には、お盆前に活動の飛躍をつくりだせるかどうかがカギを握ります。ただちに8月の活動を開始しようではありませんか。8月の条件を考えたときに、お盆休みまでに前進の勢いがつくれるかどうかが決定的です。お盆休みまでに確かな前進の流れをつくりだし、もちろん休暇はしっかりとり、お盆明けにさらに大きく発展させ、メリハリのある活動にしていこうではありませんか。ともに頑張りましょう。


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