2023年7月21日(金)
負担割合に相違 16%
紙とマイナ保険証 千葉県保険医協会が調査
高齢者医療
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年齢や所得により患者負担割合が1~3割と異なる70歳以上の高齢者医療で、紙の保険証に記載された負担割合と、マイナンバーカード保険証による「オンライン資格確認」の負担割合に「相違があった」と答えた医療機関(医科)が16・1%に及ぶことが20日、千葉県保険医協会の調査で明らかになりました。
負担割合の相違はこれまでも各地の保険医協会調査で報告されていましたが、十数%もの医療機関で発生していることが明らかになったのは重大です。歯科では6・3%でした。
具体例では「保険証は2割、オンライン資格確認で1割」、「3割だが(マイナ保険証によるオンライン資格確認で)2割と表示される」などでした。「75歳以上の後期高齢者で2022年10月から2割負担になった方のほとんどがマイナ保険証だと1割になる」との記述もありました。
所得に応じて上限が異なる自己負担限度額の「負担区分が違う」との指摘も数件ありました。
負担割合の違いをめぐっては同協会の中村健一理事の診療所(千葉市)で3割負担の男性患者がオンライン資格確認では2割と登録されていたことを本紙が報道(4日)。神谷俊一千葉市長が13日、市がシステムに誤った情報を送っていたことを認め、謝罪しました。このもと同協会は会員約4000人を対象に緊急調査しました(回答数378件)。
マイナ保険証の患者への対応で、79%が「新たに受付業務が増えた」と回答。うち51%が「資格の確認作業」をあげています(複数回答)。91%が「現行の健康保険証を残す必要がある」としています。
会見で石毛清雄同協会理事は「負担割合が年齢や所得で変化してもマイナ保険証には書いておらず、マイナポータルサイトで確認しないと患者には分からない」とのべ、現行の保険証存続を強く求めました。