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2023年7月11日(火)

きょうの潮流

 もはや支離滅裂―。マイナンバーカードとの一体化で来年秋の廃止を政府が決めた健康保険証。相次ぐトラブルで国民の不安が高まる中、河野太郎デジタル相はマイナカードの名称変更まで言いだしました▼一方、松本剛明総務相は、認知症の人たちを対象に暗証番号不要のマイナカードを交付する、と。しかし手続きは誰がするのか。なりすましのリスクは…。被害に遭ってもデジタル庁は責任を負ってくれません▼政府は、現在指摘されている課題への対策を盛り込んだ新マイナンバーカードを2026年度中に導入する方針も打ち出しました。不完全なものを見切り発車で進めてきたことを、自ら証明するようなものです。まともな政権なら、ここで一度立ち止まるのが道理でしょう▼そもそもカードの作成は国民の自由だったはずです。法律にもそうあります。世論の大半が「延期・撤回」を求める中、なぜ、やみくもに健康保険証廃止を急ぐのか。テレビのキャスターが決まって首をひねるのは、このことです▼背景に財界の圧力があったと本紙日曜版(7月9日号)が伝えています。マイナンバー制度は最初から巨大利権の温床でした。マイナンバー検討委員の企業7社が、関連事業の8割を独占していました(本紙2015年10月15日付)▼事の本質は、膨大な個人情報が財界の食い物にされようとしていることです。特に個人の病歴などは究極のプライバシーです。脅かされているのは国民皆保険制度だけでなく人間の尊厳そのものです。


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