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2023年7月5日(水)

#保険証廃止困ります

国民の怒り沸騰

名称変更・保険証持参 政府迷走が火に油

共産党 連絡会署名に全力

 「マイナ保険証」への別人の医療情報の誤登録などマイナンバーカードをめぐる相次ぐトラブルに国民の怒りが沸騰しています。4日夕方には5日の衆院特別委員会での閉会中審査に向けて「#保険証の廃止は困ります」ツイッターデモがスタート。従来の健康保険証を来年秋に廃止する政府の方針には、JNN世論調査でも73%が「延期」または「撤回」すべきだと回答しています。NHK「日曜討論」でマイナンバーカードの“名称変更”を突然提案した河野太郎デジタル相には、自民党のベテランからも「かえって制度への信用を損なう」との声があがっています。


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 「河野大臣の名称変更発言は、あくまで個人的な見解を述べたものだ」。3日、松野博一官房長官は会見で“改称”を否定。火消しに努めました。それもそのはずです。2日、河野氏の発言が報道されると、ネット上には、「名称の問題じゃない」「国民をばかにしている」との批判が相次ぎました。

 先週は、厚生労働省が国民に、「マイナ保険証」の利用時の不具合などに備え、従来の保険証の持参を呼び掛ける方針を打ち出したことも話題に。加藤勝信厚労相は6月30日の記者会見で「初めてマイナカードで受診する場合など限定的な場面での取り扱いを示したもので、常に保険証を持参してもらうことでは全くない」などと釈明しました。しかし、厚労省は「転職等により新しい保険証が交付された場合など」にも事前に個人向けサイト「マイナポータル」で確認するか、マイナンバーカードとあわせて保険証を持参してほしいと呼びかけており、カードが「1枚で済む」どころか「2枚になってしまった」状態です。

 トラブル多発の背景には、政府が昨年10月、来年秋の保険証廃止方針を突然表明したり、この間、期限付きの2万円分のポイントでカードの取得や保険証としての登録を急がせたりした強引な普及策が国民の健康や個人情報の保護など二の次、三の次で進められたことにあります。

 岸田首相は、政府のマイナンバー情報総点検本部で「政府を挙げてコロナ対応並みの臨戦態勢」で信頼回復に全力を尽くすよう求めましたが、現場からの「ならばまず、いったんカードの運用停止を」との声には応えようとしません。

 日本共産党の小池晃書記局長は3日、「混乱の原因は政府の方針であり、名前を変えても解決しない」と批判し、保険証廃止の中止を求めマイナンバーカード取得の強制に反対する「マイナンバー制度反対連絡会」の署名に党としても全力で取り組むと表明しました。

国民に負担増と給付減

マイナンバー 背景に財界の要求

 岸田政権がマイナンバー制度の拡大とカードの強制に固執する背景には、財界が求める社会保障の給付減・自己負担増や個人情報の保護緩和とビジネス利用の拡大、国民監視社会をめざす政府の姿勢があります。税金を湯水のように使うマイナンバー事業自体が一握りの大企業を潤す巨大IT公共事業でもあります。

 75歳以上の医療保険料引き上げなどを盛り込んだ健康保険法等改定案の参考人質疑が行われた4月27日の参院厚労委員会で、経団連の井上隆専務理事はマイナンバーには現時点では資産の把握までひもづけがなされていないと不満を表明。高齢者の預貯金などに着目し、「マイナンバーを活用して、真の負担能力に適切に対応した保険料、利用者負担の在り方についてさらなる検討が必要」などと主張しました。しかし、「真の負担能力」をいうなら真の富裕層や大企業を優遇する不公正税制こそ問題にすべきです。

 先の国会で健康保険証を廃止してマイナンバーカードを強要する法律を強行した自公維国の責任も改めて問われています。


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