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2023年7月2日(日)

教員の長時間勤務 歯止めをかけよう

研究者有志がシンポ

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(写真)「教員の長時間勤務に歯止めを」と教育研究者有志が開いたシンポジウム=1日、東京都内

 深刻化する教員の長時間勤務問題に歯止めをかけようと教育研究者有志が1日、東京都内でシンポジウムを開き、「思い切った改革を」と訴えました。オンラインを含め約400人が参加しました。

 開会あいさつした中嶋哲彦愛知工業大学教授は、長時間勤務に歯止めをかけるため▽教員への残業代支給▽業務量に見合った教職員配置―などを求める署名を研究者有志で呼びかけたことを紹介。「多くの署名を集め政府に訴えたい」と述べました。

 3人の研究者が講演。清水睦美日本女子大学教授は、外国にルーツを持つ子どもなどマイノリティーに寄り添った教育が求められているにもかかわらず、教員には時間的余裕がないと指摘しました。

 菊地栄治早稲田大学教授は、入学時に教職を希望しながら教員にならなかった学生たちの声を紹介し、働き方への不安や一人ひとりの子どもに対応する時間が短いことなどから、若者たちが教職から遠ざかっている現状を語りました。

 浜田博文筑波大学教授は、「教材研究や授業準備のための時間が絶対的に不足している。教員1人が担当する授業のコマ数を削減することが不可欠」として、教職員配置基準の改善を訴えました。

 3氏と小玉重夫東京大学教授(日本教育学会会長)によるパネルディスカッションが、広田照幸日本大学教授(前日本教育学会会長)の司会で行われました。小玉氏は署名で残業代の支給を求めていることについて「残業代がゴールではなく、(それによって)残業させ放題にブレーキをかけ、必要な人員を配置させるため」と強調しました。


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