2023年6月27日(火)
第8回中央委員会総会
志位委員長の結語
日本共産党の志位和夫委員長が第8回中央委員会総会で行った討論の結語(25日)は次のとおりです。
みなさん、2日間の会議、おつかれさまでした。
幹部会を代表して討論の結語をおこないます。
わが党の「命運」がかかった中央委員会総会は、大きな成功をおさめた
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率直な思いを出しあい、深めあう討論がおこなわれた
総会では、60人の同志が発言しました。全体として、幹部会報告を正面から受け止めたたいへんに深い討論がおこなわれました。また、一人ひとりの中央役員のみなさんの疑問も含めた率直な思いを、大いに出しあい、深めあう、たいへんに率直な討論、民主主義をつらぬいた討論がおこなわれたことは、きわめて重要だと思います。こうした率直な討論は、中央としてもさらに努力していきたいと考えますが、都道府県・地区委員会でもぜひ努力をしていただきたいと思います。
総選挙の比例代表・小選挙区予定候補者の同志からの意気高い決意の表明が、あいついだ総会ともなりました。
全国でリアルタイム視聴の合計は6万1110人、ユーチューブの録画再生は、現時点で約4万8千人となっています。どちらも過去最大規模となりました。この総会に対する注目と期待の大きさを反映していると思います。
「これからの『双方向・循環型』の活動が楽しみ」という感想が
全国から501通の感想が寄せられています。感想を読みましても、幹部会報告の全体がきわめて積極的に受け止められています。とくに中央が全国の支部・グループから寄せられた「返事」から、真剣に学ぶ姿勢をつらぬき、「双方向・循環型」の党活動の発展を重視していることへの共感が強く寄せられています。
幹部会報告では、中央に寄せられた「返事」のなかで、「しんぶん赤旗」の党活動ページについて、「テストの点がいい子が褒められているのを教室の隅で見ている気分になる」との率直な声があったことを紹介し、党活動ページの紙面刷新をおこなう決意をのべました。ぜひしっかりやっていきたいと思います。
感想のなかで「教室の隅で見ている気分」との声を寄せた支部の同志から、次のような感想が寄せられました。たいへん印象深い感想でしたので、そのまま紹介します。
「ちょっとぼーっとしていたら、自分の『返事』が読まれてたまげました(笑い)。『ほんとに中央に送ってくれた?』と地区委員長を疑ってすみません(笑い)。いやー、ほんとに読んでいるんですね……それはそれでちょっと動揺します。『返事が書けないところにこそ、援助を』と言われて、それも『返事』に書いたので、これからの『双方向・循環型』の活動が楽しみです」
「これからの『双方向・循環型』の活動が楽しみ」といううれしい感想であります。
全国の党支部と中央が、「双方向・循環型」の心がかよう絆で結ばれたことは、「手紙」と「返事」の活動の最大の成果だと思います。この道を、自信をもってすすもうではありませんか。(拍手)
幹部会報告では、その結びで、「8中総から来年1月の党大会までの時期は、日本共産党にとって命運がかかった歴史的な時期となります」とのべました。わが党にとって「命運がかかった歴史的な時期」の新しい出発点となるこの8中総は、わが党にとって文字通り「命運」のかかった、重要な中央委員会総会となりましたが、中央役員のみなさんの奮闘によって、「総選挙躍進」「130%の党」への新たな決意を固めた総会として、大きな成功をおさめたことが確認できるのではないでしょうか。(拍手)
総会に対して、文書発言も寄せられました。常任幹部会の責任で、今後の活動に最大限生かすことをお約束したいと思います。
「政治対決の弁証法」という大局的な政治情勢論をにぎって
幹部会報告では、「政治対決の弁証法」の立場で、私たちが立っている到達点、展望をつかむことを訴えましたが、この大局的な政治情勢論は多くの発言で深められました。討論を踏まえて、三つの点を強調したいと思います。
どういう政治姿勢で今後の情勢に立ち向かうかの大局的見地を明らかに
第一は、この政治情勢論は、統一地方選挙の結果をどうみるかだけではなく、私たちがどういう政治姿勢で今後の情勢に立ち向かうかの大局的見地を明らかにしたものだということであります。
討論でも、「今後の全党の構えをつくっていく上で要の問題」だと受け止めたなどの発言が続きました。まさにこの政治情勢論は、どういう構えで総選挙にのぞむか、どういう構えで「130%の党」づくりに挑戦するのかの要となるものであります。この立場は、幹部会報告ではその全体に、この政治情勢論が音楽でいうライトモチーフ――繰り返し使われる動機のように貫かれていることを強調したいと思います。
「もう一つ元気が出ない」という気分を吹き払っていくうえで決定的なカギ
第二に、討論では、党内に、「もう一つ元気が出ないという声がある」、「敗北主義的な傾向がある」ということが率直に出されました。同時に全国からの感想で、幹部会報告を聞いて、「これまでの報告のなかで、いちばん元気が出る報告だった」という感想が多く寄せられました。
この2回の国政選挙と統一地方選挙での後退、連続する激しい反共攻撃などに直面して「何となく元気が出ない」という気分が党内にあることは事実だと思います。情勢の厳しさにたじろいでしまう「情勢負け」ともいうべき状況を吹き払っていくうえで、「政治対決の弁証法」という科学的で発展的な見方ができるかどうかは決定的なカギとなっています。幹部会報告が、「何となく元気が出ない」という状況に対する最大の回答となっていることに自信をもって、これを全党のものにする努力をはかりたいと思います。
「政治対決の弁証法」のプロセスは途上にある――党躍進で決着をつけよう
第三に、強調したいのは、21年総選挙を一つの起点とした「政治対決の弁証法」のプロセスはその途上にあるということです。21年総選挙でわが党は、市民と野党の共闘の態勢をつくりあげ、政治的な大攻勢をかけました。それに対して支配勢力は大規模な共闘攻撃、日本共産党攻撃で答えました。攻撃は、22年参議院選挙、今年の統一地方選挙でも続きましたが、この二つの選挙で、私たちは全党の奮闘によってそれを押し返す過程にあります。すなわち「政治対決の弁証法」のプロセスはその途上にあります。総選挙で躍進をかちとり、「130%の党」をつくって、このプロセスに一つの決着をつけようではありませんか。そうすれば新しい展望が大きく開かれてきます。
総選挙で躍進し、党勢拡大で飛躍をかちとるならば、困難に直面している市民と野党の共闘を再構築し、それを大きく花開かせる展望も開かれるでしょう。プロセスの途上にあるこのたたかいを、総選挙での党の躍進、党勢拡大の成功によって次のステージに高めていく、そのために頑張りぬこうではありませんか。(拍手)
切実な願いと結びつけて「もとから変える」論戦を――閉塞感を打ち破る新鮮な力を持つ
国民の中にある閉塞感を打ち破る新鮮な力を持つ
幹部会報告では、総選挙をたたかう政治姿勢の第一に、国民の切実な願いと結びつけて、異常な対米従属・財界中心という日本の政治の二つのゆがみを「もとから変える」――わが党の綱領的値打ちを太く押し出した論戦にとりくむことを訴えました。この提起はたいへんに積極的に受け止められ、深められました。
こうした政治論戦をおこなうことがいかに重要かを、現在の政治情勢とのかかわりでつかむことが大切です。
自民党政治はいま、あらゆる面で深い行き詰まりに直面しています。平和が危うくされる不安が広がっています。暮らしがいよいよ苦しく、経済が停滞し、少子化など社会が衰退する危機感が広がっています。人権を無視し、民主主義を無視する政治、国民の声が届かない政治が横行することへのやりきれない不満と批判が広がっています。ところがその打開の展望がなかなか見えない。そうしたもとで国民の中で深い閉塞(へいそく)感が広がっています。
そこにつけ込む形で、「改革」を叫ぶ維新の会などへの幻想が広がる状況もあります。しかし討論でも指摘されたように、この党は、異常な対米従属・財界中心という二つのゆがみの大本には、もとより指一本触れることはできませんし、二つのゆがみと国民との矛盾を解決する力をひとかけらも持っていません。このゆがみをよりいっそう深刻にするだけの文字通りのまやかしの「改革」論であります。
そういうもとで、「こんなアメリカいいなりの国でいいのか」、「こんな財界のもうけ最優先の国でいいのか」と、ズバリ問いかける。国民の切実な要求との接点を重視して、相手に伝わるようにズバリ問いかける。そして、わが党の改革の抜本的対案を、外交でも、経済でも、人権でも大いに語る。こうした論戦が国民の中にある閉塞感を打ち破る新鮮な力を持つことは疑いありません。それはまやかしの「改革」論を吹き飛ばす最大の力を発揮することになるでしょう。わが党の街頭でのこうした訴えに対して、「新鮮だった」「ガツンと気合が入った」などの感想が寄せられたとの発言もありました。
「日本共産党らしい論戦」を、堂々とやり抜いて勝利をつかもう
これまで、こうした党の綱領的値打ちを大いに押し出す論戦は、全党のみなさんは当たり前のように語ってきたと思います。ただ、この数回の国政選挙では、市民と野党の共闘を重視する立場から、緊急の諸課題での訴えが前面になってきたという事情もありました。今回は、いわば「日本共産党らしい論戦」を、堂々とやり抜いて勝利をつかもうというのが、幹部会報告の呼びかけであります。
民青同盟のみなさんが、この間、大きな前進を開始していますが、加盟の呼びかけ文で興味がある部分にアンダーラインを引いてもらって対話をしているとのことです。「アメリカいいなり・財界中心」という二つのゆがみのところにアンダーラインが引かれ、対話になり、ここを変えることが希望だ、という話し合いになっているとのことです。自民党政治の行き詰まりのもとで、切実な要求と結び付けて、綱領的値打ちを太く押し出した論戦は、若い世代の気持ちにも必ず響くものになると考えます。この訴えを縦横におこなって、躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)
革命政党として統一と団結をいっそう強める――断固たる回答を示す総会に
幹部会報告では、総選挙をたたかう政治姿勢の第二に、支配勢力によるわが党の綱領と組織のあり方に対する攻撃を打ち破って、党への丸ごとの支持を広げ、積極的支持者を増やす政治的大攻勢をかけることを訴えました。
「やり過ごす」のでなく、正面から攻勢的に打ち破ろう
綱領への攻撃に対して、党の立場を丁寧に明らかにしていくとともに、党の組織のあり方への攻撃に答えることが、総選挙での重要な焦点になることを強調しました。とくに民主集中制、党の指導部のあり方への攻撃について、私たちの回答をのべました。
この点も討論で深められました。幹部会報告に対して、「モヤモヤがあったがすっきりした」という反応が非常に多くありました。これは党の組織のあり方に対する支配勢力の攻撃が、党内外の人々にも一定の影響を与えていることを示しています。討論の中で「『攻撃という言葉を使わないほうがいい』と、攻撃に立ち向かうのでなく、やり過ごそうという雰囲気もある。ここをたださなければならない」との率直な発言もありました。
もちろん国民に語りかける時には、受け入れやすい言葉をまじえながら語ることの工夫は大切です。私の場合、たとえば、「事実に反する批判、すなわち攻撃」という言い方もしています。しかし今、支配勢力によっておこなわれている党の組織のあり方、民主集中制、党の指導部に対する批判、非難は、まごうことなき反共攻撃です。反共攻撃を反共攻撃ととらえず、「やり過ごそう」となれば、わが党はどんどん押し込まれることになります。正面から攻勢的に打ち破る、政治的大攻勢をかけるという立場をしっかりと確立してこそ、直面する総選挙での躍進に道が開かれるし、党勢拡大も前進させることができます。
民主集中制とドイツ左翼党の教訓について
民主集中制にかかわって、昨年秋におこなったドイツ左翼党との会談について、緒方靖夫副委員長から報告がされました。
ドイツ左翼党は、「欧州のNATO化」と言われる大逆流の中で、NATO反対で頑張っている党であります。ドイツのなかで最も強力な左翼の党です。ところがこの党の指導部と会談しますと、「派閥抗争があり、議員、候補者、地方議員がのべる政策がバラバラで党の声が一つにならない。党勢も議席数も後退して、党の中心問題になっている」との苦悩が率直に語られました。
ドイツ左翼党は、党の規約から民主集中制を削除して、派閥を認めたことが、いくつもの派閥をつくるという結果につながり、その主導権争いがメディアで繰り返し報道され、深刻な困難に陥っているとのことでした。ドイツの場合、派閥は他の党にも存在します。しかし、NATO反対という政治変革の立場に立つドイツ左翼党については、徹底的に、ここだけに焦点を当てた攻撃を、メディアは繰り返しおこなっているとのことでした。
日本共産党は、ドイツ左翼党と、協力関係の強化で合意をいたしました。ぜひ困難を乗り越えてほしいと強く願います。
同時に、強調したいのは、支配勢力によって、いまおこなわれている民主集中制攻撃は、わが党をこういう派閥抗争の党にしてしまおうというものだということです。日本共産党の統一と団結を恐れ、これを壊したい、内部から解体させようというものにほかなりません。こうした攻撃を断固として拒否しようでありませんか。(拍手)
民主集中制という組織原則を、「民主」の面でも、「集中」の面でも、豊かに発展させる努力と一体に、胸を張って多くの国民に語ろうでありませんか。
日本共産党の指導部のあり方に対する批判・攻撃に対して
幹部会報告では、「委員長が長すぎるのが問題だ」という批判、攻撃に対して、これをわが党そのものへの攻撃ととらえて、みんなで力を合わせて打ち破ろうと訴えましたが、この提起を積極的に受け止めていただき、深めていただいたことは本当に心強いことであります。討論でお寄せいただいた評価と信頼にこたえて、私は、みなさんと心一つに、あらゆる知恵と力をつくして、奮闘する決意を重ねて申し上げたいと思います。(拍手)
支配勢力は、日本共産党の統一と団結を恐れ、それをかく乱し、破壊しようとしましたが、この総会は、わが党が革命政党であることをあらためて確認しあい、党の統一と団結をいっそう強めるという、私たちの断固たる回答を示す総会になったということが確認できるのではないでしょうか。(拍手)
「130%の党」に向けた「最初のハードル」を次々に突破する流れをつくろう
幹部会報告は、「第29回党大会成功、総選挙躍進をめざす党勢拡大・世代的継承の大運動」を呼びかけました。
「大運動」の呼びかけは、きわめて積極的に受け止められ、いかにして成功させるかについて、討論で深められました。いくつかの点を強調しておきたいと思います。
「やればできる」という確信を全党に広げながら、130%の峰に挑戦を
第一に、強調したいのは、「130%の党」に向けた「最初のハードル」を次々と突破していく流れをつくろうということです。
幹部会報告では、「大運動」成功への「四つの力点」の冒頭に、毎月前進をはかる党勢拡大の独自追求と、支部からの「返事」に学んだ法則的活動を一体的に追求することを訴えました。そして、「大運動」のとりくみの「最初のハードル」として第28回党大会時の回復、突破の期日を決めて、まずはそれをやり抜くことを訴えました。
この訴えにこたえて積極的な発言が続きました。「最初のハードル」の突破を7月にいち早く達成するとの決意をのべた同志もいました。8月まで、あるいは9月までに突破するという決意も語られました。すべての都道府県、地区委員会が、まずこの「最初のハードル」を突破する期日を決めて、それをやり抜くことに執念を持ってとりくもうではありませんか。7月、8月から、「最初のハードル」を突破する県、地区委員会を次々とつくりだし、「やればできる」という自信と確信を全党に広げながら、130%の峰に挑戦しようではありませんか。
「最初のハードル」――すべての支部が1人以上の党員を迎えれば達成可能
山登りと同じところがあって、最初の峰に登りますと、違う風景が見えてきます。山頂もやがて見えてきます。
党員拡大で言いますと、党大会時の回復、突破まで、全党的に約1万8000人です。すべての支部が1人以上の党員を迎えれば達成可能な数字なのです。ここからはじめて、大きく発展させようではありませんか。とくに、この6月、7月から躍進への変化を、全党の努力で必ずつくりだすことを強く訴えたいと思います。
「返事」に学んだ法則的活動の開拓――党機関で働くものの責任を胸に刻んで
第二は、「返事」に学んだ法則的活動を開拓することであります。幹部会報告でのべたように、「大運動」をいかにして成功させるかの最大のカギはここにあります。
幹部会報告では「返事」に学んで、六つの点で活動の強化方向を示しました。悩みを受け止め、教訓に学び、中央としてなすべきことを示す、という姿勢でまとめました。まとめてみますと党大会第二決議とも合致した内容でした。この提起は、討論でも感想でも強い歓迎で迎えられました。「双方向・循環型」を徹底的に貫いて、新しい挑戦と開拓をやり抜こうではありませんか。
県委員会としての姿勢をただしていきたい、との発言が次々に
討論で大切だと感じたのは、幹部会報告を受け止めて、県委員会としての姿勢をただしていきたい、との発言が次々に語られたことであります。埼玉県の荻原県委員長は次のように発言しました。
「党県委員会に来て23年、本当に必死に党づくりにとりくんできたつもりですが、頑張っても頑張ってもなかなか前に進まない。ずるずると後退した。どこに方向があるのか。この点で、今日報告を受けて、私が思ったのは、党大会決定の第二決議、『手紙』と『返事』にもとづく活動、これを方針通りにやり抜いていくところに必ず道が開けると思いました。この間の活動はそうなっていたんだろうか。支部の人たちが『返事』を書いてくれています。私自身も、『返事』は何百と読みました。本当に支部が苦労しています。本当に突破したいなと思いました。しかし、それでとどまっていました。個人で読んだだけで、県の常任委員会で一つひとつの『返事』について集団で議論して、対応を練ってきたのかどうか。そういう指導・活動を県常任委員会が地区委員会に対してやったのかどうか。この点がきわめて不十分だと思いました。『手紙』と『返事』を軸にしながら、『130%の党』づくりの流れをしっかりつくっていく。ここに打開の道があると思っています」
「返事」に記されている思いを受け止め、花開かせることが私たち党機関の責任
率直で、深い受け止めだと思って聞きました。私たち中央委員会も、頑張っても頑張ってもなかなか前に進まない。そういうもとで、私たちの中にもある惰性を吹っ切って、支部のみなさんの自発性、潜在的な力に徹底的に依拠し、ともに打開しようと決意して始めたのが、7中総の「手紙」と「返事」の運動でした。
それは、まだ花開くところにまではいっていませんが、強く大きな党をつくる「豊かな宝庫」とも呼ぶべき内容がそこにはぎっしりと記されています。この支部の思いを受け止め、花開かせるところに、私たち党機関で働くものの責任があると思います。それを互いに胸に刻んで奮闘しようではありませんか。
中央と支部の関係も、都道府県委員会と地区委員会の関係も、地区委員会と支部の関係も、徹底的に「双方向・循環型」の活動を発展させるなかで、「130%の党」という大事業を必ずやりとげようではありませんか。(拍手)
青年・学生の「特別決議」――「ここから党の未来をつくる」力強い声が響いた
第三は、幹部会報告が、党の総力をあげて、「数万の民青」と1万の青年・学生党員をめざす運動を呼びかけ、そのための「特別決議」の採択を提案していることについてであります。
この大テーマが、総会で、たくさんの同志の発言によって深められました。中央委員会総会で、これだけの多くの方々が青年・学生問題について正面から語った総会というのは久方ぶりではないかと思います。「ここから党の未来をつくる」という力強い声が響いた総会となりました。
青年・学生で大きな前進をかちとる客観的条件と主体的条件
討論を踏まえて、三つの点を強調しておきたいと思います。
第一に、「特別決議」が、「いま若者のなかで大きな党と民青をつくる歴史的時期を迎えている」とのべている意味についてであります。
ここでいう「歴史的時期」とは、青年・学生分野で大きな前進をかちとる客観的条件――自民党政治の深い行き詰まり、21世紀の資本主義体制の矛盾の深まりなどがあるというだけではありません。主体的条件――民青同盟がそうした客観的条件を受け止める立派な活動を開始し、前進を始めている。両面での条件があるということです。
この歴史的チャンスを生かさないでどうするか。そういう立場で「特別決議」を提案いたしました。
民青の活動から学ぼう
第二に、訴えたいのは、民青の活動から学ぼうということです。
討論のなかで、党と民青の懇談のなかで、党の側が、「今の若い人が何を考えているか分からない。私たちの支部には若い人とのつながりがない」と話したところ、民青の側から、「青年も同じ人間です。自民党政治の二つの異常に苦しめられている国民です。つながりがないのは私たちも同じです。だから会いに行く。つながりはつくるものです」との答えが返ってきたといいます。また、「目標にこだわりぬき、方針通りやってみることを徹底している」ことが語られたとのことでした。
私は、先日、東北のある学生支部の会議に参加してお話を聞く機会がありました。学生のみなさんは、高学費のもと、深夜バイト、徹夜バイトなど、アルバイトと学業の両方で、たいへんに多忙なのですけれども、党の支部会議と民青の班会で週2回の会議を必ずやっているという話でした。私が、「2度もやるのは大変でしょう。どうやって会議を開いているのですか」と聞いたところ、「3分間スピーチが一番楽しい。話したいことを何でも話します」、「月1回じゃなくて週1回やってこそ楽しくなります」という答えが返ってきました。大いに学びたいと思って、この答えを聞きました。
青年・学生分野の援助――学習を最優先の中心課題に、青年・学生党員を増やす
第三に、青年・学生支部と民青同盟への援助は、党綱領と科学的社会主義の学習を最優先の中心課題に据えるということです。
私自身、民青中央が開催した綱領セミナーや科学的社会主義セミナーの企画でお話しする機会がありましたが、民青のみなさんが驚くほど学びへの強い熱意を持っていることをひしひしと感じました。どちらも質問に答える形式でしたが、すべての質問は民青のみなさんが全国から集めたもので、それに私が答えるというものでした。ぜひ、『社会は変わるし、変えられる――学生オンラインゼミ』や『科学的社会主義Q&A――学生オンラインゼミで語る』なども使って、学習への援助をおこなっていただきたい。そのためにも民青の文献を党自身が学習することも訴えたいと思います。
そしてもう一つの援助は、青年・学生党員を増やすことです。ここで前進をつくってこそ大きな民青をつくれるし、党の未来も開けてきます。
「特別決議案」の修正提案について
青年・学生問題の最後に、「特別決議案」の修正提案が討論で出されました。それにこたえて、以下修正をしたいと思います。
――「資本主義を乗り越えての未来社会論への大きな関心」という一節のところで、原案は「貧困と格差、気候危機、ジェンダー」とありますが、「人権」を加えてほしいとの提案です。「人権」を加えたいと思います。
――「民青拡大のとりくみの中での青年・学生の反応の特徴」の4番目として、「運動にたちあがる同世代の姿にSNSやマスメディア、キャンパスなどで触れている」を加えたいと思います。
――青年・学生の反応の特徴の根底にある自民党政治の矛盾について、「過度な競争教育」を加えてほしいという意見ですが、これも重大な問題であり、子どもたちを深く傷つけ、国連からもその是正が繰り返し提起されている問題です。これも「特別決議」に加えたいと思います。
「特別決議案」を採択していただき、この実践に全党があげてとりくむことを訴えたいと思います。(拍手)
ジェンダー平等、ハラスメント根絶にかかわって
幹部会報告では、党活動と党建設の重要な柱として、ジェンダー平等とハラスメント根絶のとりくみを重視しようということを訴えました。
発言の中で、京都の地坂拓晃書記長からこういう発言がありました。「ジェンダー平等、ハラスメントの根絶にかかわって、『だれもが互いに対等な仲間として尊重しあうあたたかい人間集団をつくろう』との報告がされたが、私はたんに『対等な仲間』というだけでなく、年齢や性別、経験、任務の違いによって権力的関係が生まれうることに自覚的であることが大事だと思っています」という指摘です。
これは大切な指摘だと思います。「対等な仲間」というだけではたらない。ここに指摘されているように、たとえば年齢が違う、性別が違う、経験が違う、任務が違う――これらのことによって、なかなかモノが言いづらい、あるいはそういうことから権力的関係が生まれ、ハラスメントが起こってくることがありうる。そういう権力的関係は、わが党内にはあってはならないというのが、わが党の大原則でありますが、しかしそこから権力的関係が生まれうる、そこからハラスメントが起こりうる、そこに「自覚的」であるべきだという指摘ですが、これは重要な指摘であります。この指摘はしっかり受け止めて、ハラスメント根絶のためにみんなで努力したいと考えます。
8中総決定の徹底・具体化について
最後に、8中総決定の徹底・具体化についてのべます。
幹部会報告について、三重県の大嶽県委員長は、「すごい報告」だという感想を語り、どうやって徹底・具体化するか、「どうする8中総」(笑い)とのべました。8中総決定の内容は、私は、文字通り、党の「命運」がかかった重要な内容になると思います。その徹底のために、三つの点を訴えます。
第一に、8中総の全党員の読了を、最優先課題に位置づけ、やり抜きましょう。そのうえでも、指導的同志は1週間以内に読了することを訴えます。
第二に、党機関でも党支部でも、時間を惜しまず、徹底的に議論しましょう。この内容を全党が身につけるならば、総選挙に勝ち、「130%の党」をつくる政治的・理論的土台をつくることができます。徹底的に議論しましょう。
第三に、議論は1回でなく、まず議論して実践し、さらに2回目の議論を行うというように、議論と実践を一体に進めましょう。
8中総決定を全党の血とし肉にして、総選挙に勝ち、「大運動」を成功させ、第29回党大会を大成功に導こうではありませんか。
以上をもって、結語といたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)