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2023年6月26日(月)

NHK日曜討論 田村政策委員長の発言

 日本共産党の田村智子政策委員長は25日のNHK「日曜討論」で各党の政策担当者と通常国会閉会を受け、内外の諸課題について意見を交わしました。

マイナ保険証 命関わる問題

 「マイナ保険証」に他人の情報がひも付けられるなどトラブルが相次ぐマイナンバーカードの問題。田村氏は「受診を妨げる、命に関わる問題だ」と指摘。政府が総点検するとしていることについて「自治体丸投げであり、人の手で行われる以上はヒューマンエラーが避けられない。いったんマイナカードの運用、とりわけマイナ保険証の運用を止め、制度設計から点検が求められる深刻な事態」と主張しました。

 立憲民主党の長妻昭政調会長は「拙速に進めたツケが回った。立ち止まるべきだ」、れいわ新選組の櫛渕万里政審会長代理は「マイナカード返納の国民運動を」と述べました。

 これに対し自民党の新藤義孝政調会長代行は「(高齢者や障害者も)保険証と同じように病院に行く時に使えばよい」「マイナンバーを自分で申告すれば間違いはない」などと、深刻な問題を理解もせず、相次ぐトラブルの責任が国民にあるかのような態度を示しました。

 日本維新の会の小野泰輔政調副会長は「ひも付けは困難な作業だった」、国民民主党の大塚耕平政調会長は「混乱がおこるのはある程度想定できる」などとしながら、自らの党が法案に賛成したことには触れませんでした。

 田村氏は、来年秋の保険証廃止スケジュールについて問われ、「岸田文雄首相は『国民の不安払しょくが大前提』と言っているが、7割を超す国民が保険証廃止の延期・中止を求めている。与野党ともに深刻なトラブルが起きていることを認めているなら、法案を通してしまった反省に立ち、凍結・廃止の手だてをとらなければだめだ」と、重ねて強調しました。

悪法押し通す「異常な国会」

 自民・公明・維新・国民によるLGBT法について田村氏は、当事者から差別の助長になると声があがり、日に日に反対の声が広がる中で押し通すという「異常な国会」だったと振り返りました。改悪入管法については、難民認定の審査のあり方があまりにずさんだったことが法案審議で次々明らかになり、そもそもなぜ立法が必要だったのかその根拠が崩れた中での強行は許されないと指摘しました。

 田村氏は、先の国会の一番の問題は、「専守防衛」を投げ捨てて日本のあり方を百八十度変える予算と法案が国民にまともな説明もなく短期間の審議で通されたことだと強調。バイデン米大統領が日本の軍事費増を「私が彼(岸田首相)を説得した」とアピールしたことを紹介し、「いったい何のための軍事費倍増なんだということを改めて議論を求めたい」と表明しました。

43兆円大軍拡 外交の妨げに

 いま日本政府に求められていることは、米国と中国に対し軍事的緊張を高めるなと働きかけることだと述べた田村氏。「日中両国政府が互いに脅威にならないということを繰り返し確認しており、話し合いで前向きな打開は可能。43兆円の大軍拡はこういう外交努力の妨げにもなってしまう」と述べました。

 政府の子育て戦略について問われた田村氏は、高齢者を狙い撃ちに社会保障を削減して財源をねん出しようとしていることを岸田首相は否定できないとし、「今でも年収200万円の高齢者に医療費負担2倍押し付け、年金も減らされ、さらに負担を押し付けたらどうなるのか」と批判。米国いいなりの大軍拡ストップ、大企業・富裕層への優遇税制にメスを入れ、史上最高の利益を上げている大企業に利益に応じた税負担や500兆円超の内部留保を活用し、働く人の賃金や中小企業に回す仕組みをつくる日本共産党の提案を示しました。


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