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2023年6月22日(木)

エストニア 同性婚法制化

旧ソ連構成国で初 首相が成立歓迎

 バルト3国のエストニアの議会は20日、同性カップルの結婚や養子縁組を可能にする家族法および関連立法の改正を賛成多数で可決しました。同性婚の法制化は旧ソ連・東欧圏では昨年10月のスロベニアに続くもので、旧ソ連構成国では初。改正法は2024年1月1日から施行されます。(田中健一)

来年1月施行

 今年3月の総選挙後発足したカラス政権は、LGBTQなどの性的少数者の権利拡大に取り組んできました。

 カラス首相は20日、声明を発表し、「誰もが愛し、人生をささげたいと思う人と結婚する権利がある。同性婚を認めている他の民主国家や北欧諸国と同等の立場になった」と法案成立を歓迎しました。

 カラス氏はまた「私たちは、(ソ連)占領から自由になってからの30年間で大きく成長した」と述べて、ロシアとの違いを強調しました。背景には、性的少数者を弾圧する隣国ロシアへの対抗意識があります。

 レズビアンのアンネリ・レパマーさん(46)は「国が最終的に私を受け入れてくれたようだ。今、権利を持つ人間になった」と述べました。

 非政府組織「エストニア人権センター」の5月9日発表の世論調査では、人口の53%が同性婚に賛成です。同センターは、「2012年は賛成34%、反対60%だったことを考えると、この10年で急激な進歩だ」と述べました。

 ただし同調査では、38%のエストニア系住民が同性愛を「容認できない」と答えています。また全人口の約4分の1にあたるロシア系など非エストニア系住民の同性婚賛成は40%と、エストニア系に比べて低くなっています。

 今回の採決では、カラス首相の出身政党で中道右派の改革党、同党と連立を組む2政党の多くの議員が法案に賛成。これに対し、ロシア系住民の支持者が多いとされる中道党、民族主義右派の政党は法案に反対あるいは棄権しました。


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