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2023年6月8日(木)

強制不妊 12日に報告書

旧優生保護法 国会が3年間調査

 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らが不妊手術を強制された問題で、立法過程や手術の実施状況などを取りまとめた調査報告書原案が12日に公表されることが、分かりました。

 衆参両院の厚生労働委員長が2020年6月17日に命じ、衆参両院の各調査室と国会図書館が約3年間にわたり調査を実施しました。

 議員立法で全会一致によって作られた旧優生保護法の経緯が、明らかになります。このほか、不妊手術の実施状況などについて国や自治体、医療機関や福祉施設、障害者関連団体などを対象にした調査結果も書き込まれます。

 手術を強制された被害者や一時金支給請求書などの調査結果、外国の関連施策も盛り込まれます。

 調査は、19年4月に成立した被害者への一時金支給法21条に基づくもの。同条は、国が不妊手術を強制するような事態を二度と繰り返さないよう、強制不妊手術に関する調査をすることなどを明記しています。

 厚生労働省によると、旧優生保護法に基づき約2万5千人が不妊手術を強制されました。一時金320万円を請求したのは1233人で、そのうち認定を受けた人は1047人にとどまります(4月末現在)。

 超党派議員連盟の法案作成プロジェクトチームの一員として一時金支給法案作成にかかわった日本共産党の高橋千鶴子議員は5月11日の衆院地域・こども・デジタル特別委員会で、調査の内容や報告書の公表時期などについて質問しました。

 一時金の申請期限は来年4月までです。6月6日の同議連役員会では、申請期限の延長を含めた法の見直しの必要性について議論されました。

旧優生保護法をめぐる動き

1948年 優生保護法施行

1996年 「不良な子孫の出生を防止する」とした優生思想に基づく規定を削除、母体保護法に改称

2018年

1月 宮城県の女性(60代)が国に損害賠償を求め仙台地裁に初提訴。以後、11都道府県で提訴

2019年

4月24日 320万円の一時金支給法が議員立法で成立、施行

5月28日 仙台地裁が原告の請求棄却、旧法の違憲性は認める。原告は控訴

2020年

6月17日 衆参両院厚生労働委員長が調査命令。国会図書館には協力を要請

2022年

2月22日 大阪高裁が国に初の賠償命令。国は上告。以後、3高裁、3地裁が国に賠償命令


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