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2023年6月7日(水)

入管法緊迫

大阪入管医師酒酔い・送還ノルマ許されない

二つの文書公表 仁比氏会見

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(写真)資料を手に記者会見する仁比聡平参院議員=6日、国会内

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(写真)大阪入管常勤医師の呼気アルコール検査結果等についての報告(左)と各官署の縮減目標件数

 日本共産党の仁比聡平参院議員は6日、国会内で会見を開き、参院で審議している入管法改悪案を巡り、出入国在留管理庁(入管庁)の内部資料を公表しました。資料は大阪入管の医師による酒気帯び診療の疑いが発覚した経緯をまとめた報告書と、送還させる外国人の目標件数をまとめた一覧表です。仁比氏は入管庁が隠していた事実が判明したと指摘。法案の強行採決をやめ、徹底審議のうえ廃案にするよう求めました。

 資料は「しんぶん赤旗」を通じて仁比氏が独自に入手したもの。一つ目の資料は、1月21日付で大阪入管の入国警備官が診療室長(同入管次長)にあてた「当局診療室常勤医師の呼気アルコール検査結果等について(報告)」と題する報告書です。

 これによると、大阪入管の常勤医師が今年1月に登庁した際、動作に緩慢さが見受けられ、落ち着きや冷静さを欠いていたと指摘。中国人収容者1人を診察した後に呼気アルコール濃度検査をし、医師から呼気1リットル中0・22~0・36ミリグラムのアルコールが検出されたとしています。

 仁比氏は、名古屋入管でウィシュマ・サンダマリさんが亡くなった事件を受け、入管庁が出した「改善策の取組状況」では大阪入管などに常勤医師を配置したと誇っていると指摘。国会審議で斎藤健法相が酒気帯び診療の疑いを隠ぺいしてきたのは、「大臣が医療体制を充実し、効果が上がっていると答弁するためだったのではないか」と批判しました。

 二つ目の資料は、国外退去とされた外国人のうち帰国していない「送還忌避者」を入管庁が、2022年度に456件減らす「送還目標」を記した一覧表です。仁比氏は、「入管庁は『20年度末以降、コロナ禍のもとで目標値の設定は行っていない』と答弁していた」と指摘。一覧表について「入管本庁が作成しなければ作り得ないものだ。ノルマを決めて個々の事情をふまえずに強制送還するのは許されない」と強調しました。


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