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2023年6月1日(木)

きょうの潮流

 「社会の混乱など何も起きていない」。アジアで初めて同性婚が認められてから4年。台湾では1万組をこえる同性カップルが婚姻届を受理され、支持する人たちも大幅に増えています▼当事者の喜びの声が本紙「すいよう特集」(24日付)で紹介されていました。「誰も損害をうけていないし、多くの人に利益があった」。道を開いたのは市民の運動。いまや同性婚を認める国と地域は34を数え、欧州や北・南米を中心に広がっています▼日本でも画期的な判決がありました。愛知県の男性カップルが国を訴えた裁判。名古屋地裁は法の下の平等を定めた憲法14条とともに、婚姻の自由を定めた24条の2項に違反すると初めて判断しました▼「同性カップルに対し、その関係を国の制度として公に証明せず、保護するのにふさわしい枠組みすら与えていない」。判決は同性カップルへの理解が進んでいる現状をふまえ、結婚制度から排除することで大きな格差が生じているとして「もはや無視できない状況に至っている」と▼司法の矜持(きょうじ)を示した判決に法廷は喜びにわいたといいます。原告側は「現状を放置することは到底許されない」と、古い家族観や価値観にしがみつく政治を批判。それは、同性婚を制度化すれば「社会が変わってしまう」と発言した岸田首相にも▼幸せになる人が増えたという台湾の様子はテレビのニュースでも取り上げられ、同性カップルが声をそろえていました。「社会は変化していくもの。それを恐れてはいけません」


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