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2023年5月28日(日)

きょうの潮流

 日本の卒業シーズンは桜の開花とともにやってきますが、米国では青葉が輝く今がその時期です。例年、どの大学にどの著名人が招かれ演説したかが話題になります。今年は、米東部マサチューセッツ州のボストン大学に注目が集まりました▼同大学出身で、米映画大手ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの最高経営責任者ザスラフ氏がブーイングで迎えられたからです。記念演説のさなか卒業生たちから「脚本家たちに賃金を支払え」の唱和が沸き起こりました▼ハリウッド映画やテレビドラマの屋台骨である脚本家が2日からストライキに入り、映画撮影や番組作製が次々に休止しています。全米脚本家組合(WGA)のストは15年ぶりです▼映画やテレビシリーズのネット配信など業界が大きく変わる今、著作権料などをめぐり組合と制作スタジオの大きな溝は埋まりませんでした。番組などのネット配信拡大に伴い、制作現場も一変しているといいます▼これまで7人ほどで担当していた脚本づくりは、短期間で少人数での作業を強いられ、過重労働に。さらにスタジオ側は人工知能(AI)を導入した脚本作製も提案しますが、組合側は阻止へたたかう構えです▼賃上げと公平な契約を勝ち取ろうと、ハリウッドやニューヨークのスタジオ前で連日ピケが張られています。小さな子どもを連れて声を上げる組合員の姿も。夏まで続く可能性も指摘されています。生活をかけた脚本家たちの覚悟に、日本からも熱いエールと連帯を送りたい。


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