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2023年5月20日(土)

きょうの潮流

 世界の平均気温は上昇し続けると予測されています。国連の世界気象機関が今後の予測を発表しました。2027年までの5年間で少なくとも1回は、産業革命前と比べて1・5度を超える確率が66%に及ぶというのです▼5割を超えるのは初めて。すでに約1・1度高くなっています。この上昇が何をもたらしているのか。世界のすべての地域で熱波や豪雨、干ばつ、熱帯低気圧などの極端現象に影響を及ぼし、穀物収穫量や健康、生態系などで損失と損害を与えている―▼国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書の指摘です。温暖化が続けば、これらの極端現象の変化はさらに大きくなります。ただ、気候変動の行方の鍵はまだ私たちが握っています▼報告書は、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の目標である1・5度に抑えるには、温室効果ガスの排出量を35年までに19年比で60%削減する必要があると。大きな責任を負うのが温室効果ガスを大量に排出してきた先進国です▼主要7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、気候危機対策の強化を求めて活動している22歳の若者がこう話していました。「気候変動はより若い世代が影響を受ける。どうして、こんな問題を上の世代は放置してきたのか」「サミットが気候危機対策や核兵器廃絶へ大きな一歩になるよう、声を上げる」と▼議長国・日本の政策は、原発推進と石炭火力の延命策です。緊急に必要な気候危機対策への逆行、その対応が問われます。


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