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2023年5月11日(木)

大規模パーティー 岸田氏 21回 4.2億円

「大臣規範」無視

 大軍拡の一方、年金、医療の切り下げなど国民に犠牲を強いる岸田文雄首相が、外相時代を含め、「大臣規範」を無視して大規模な政治資金集めパーティーを21回も開催し、総額4.2億円もの荒稼ぎをしていたことが、本紙の調べでわかりました。(藤沢忠明)


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 「大臣規範」というのは、2001年1月6日、閣議決定されたもので、大臣、副大臣、政務官が開催する政治資金集めパーティーについて、「国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」とあります。

 ことし3月19日、首相は地元広島で後援会の「新春互例会」を1000人規模で開催、5月に広島で開くG7サミットのロゴの入ったまんじゅうやペンをお土産として配り、「政治利用だ」と問題になりました。

 3月27日の参院本会議では、立憲民主党議員から「規範に抵触するのではないか」と批判されましたが、首相は「とくに定められた基準はなく、各大臣等が国民の疑念を招かないよう良識の範囲で適切に対応すべきもの」「おたずねのパーティーは規範に抵触するものではない」と完全に開き直ったのです。

 本紙は、安倍政権の外相時代(12年12月~17年8月)と21年10月の首相就任後の金集めパーティーの開催状況を、首相の資金管理団体「新政治経済研究会」と「岸田文雄後援会」の政治資金収支報告書(22年分は未公表)で調べました。

 これによると、「国政を語る会」「新政治経済塾」「新年互例会」などの名目で40回近いパーティーを開催していますが、収入額が1000万円を超す「大規模パーティー」は21回(うち2000万円超は11回)、総収入は約4億2231万円にのぼりました。会場費、飲食代などの支出の合計は約5015万円で“利益率”は88・1%。「国民の疑念」を招くような荒稼ぎです。

 政治資金パーティーは、形を変えた企業・団体献金。首相就任後の21年12月22日の「国政を語る会」では、ニトリホールディングス150万円、日本医師連盟50万円、製薬産業政治連盟40万円などの大口購入者がいます。ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は首相とゴルフをしたり、会食をする間柄。省庁に対して絶大な権限を持っている首相が特定の企業や団体と癒着するのは、「良識の範囲」とはいえないでしょう。


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