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2023年4月29日(土)

入管法改悪案 本村氏の反対討論(要旨)

衆院法務委

 日本共産党の本村伸子議員が28日の衆院法務委員会で行った入管法改悪案および修正案に対する反対討論の要旨は次の通りです。


 本法案は、2021年に廃案となった法案とほぼ同じ内容で、壮絶な不安を抱える方々の悲鳴のような声を聴こうとしない政府の姿勢は絶対に許されません。法案審議で送還の危険性のある当事者、家族、弁護士、支援者の参考人質疑が行われなかったことにも強く抗議します。人権はそんな軽いものでいいはずがありません。

 そもそも難民認定が他の先進諸国より狭すぎます。何回難民認定申請しても「難民」と認められないのに、法案は難民認定申請中でも送還が可能となっており、あまりに理不尽です。

 参考人から出身国情報を把握する能力が弱いと指摘されました。生命や自由が脅かされる恐れがある国への追放・送還を禁じた難民条約第33条第1項(ノン・ルフールマン原則)に関わる特別な審査体制もありません。

 法相・難民審査参与員の「難民」判断が間違うこともあるのに検証の姿勢もなく、審議の前提の資料も出さず、一体どこを信用しろというのでしょうか。

 参考人は「難民の追放、送還は、場合によっては死刑執行と同じ効力を持つ」と述べましたが、その重い責任に応える真摯(しんし)な姿勢がないではありませんか。まずは、難民認定の専門性のある第三者機関をつくることを最優先すべきです。

 一部公開されたウィシュマさんの映像記録は、「報告書」が真実を隠蔽(いんぺい)していることを明らかにしました。全ての映像記録と資料を国会に提出し、死因などを真相究明することは、入管の権限を強める法案審議の大前提です。

 これまで全件収容主義のもと、ウィシュマさんはじめ死亡事件も相次いでいるのに、監理措置が適用されない限り常に収容が優先する原則収容主義は維持され、収容への司法審査も収容期間の上限もないことが国際人権基準の観点から批判されています。仮放免や在留資格のない子どもの送還、医療を受けさせないなどの行為は子どもの権利条約違反です。子どもと家族に今すぐ在留特別許可を出すべきです。

 なお、修正案の難民認定申請に対する配慮、監理措置の適正の確保は、違反しても刑事罰も不認定処分の取り消しもなく、実効性はまったくありません。政府に、本法案を撤回し、国際人権基準にそった人権尊重の制度に徹底的に見直すよう強く求めます。


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