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2023年4月29日(土)

中学教諭4割 過労死ライン

文科省調査 8割が月45時間超残業

 文部科学省は28日、2022年度の教員勤務実態調査の結果(速報値)を公表しました。中学校教諭では1週間の勤務時間が過労死認定ラインの60時間を超える人が36・6%に上り、8割近くが月45時間を超える残業をしているなど、依然として異常な長時間労働であることが分かりました。現場からは「持ち帰り残業を含めると実態はもっと深刻」との声が出ており、抜本的な対策が求められています。

 全国的な実態調査は6年ぶり4回目。全国の公立小中学高校計2700校の常勤教員(教諭・校長・副校長・教頭など)を対象に、22年8、10、11月、それぞれ7日間の勤務実態を調べました。

 10、11月の平日の1日当たりの平均在校時間は小学教諭が10時間45分、中学教諭11時間1分、高校教諭10時間6分でした。小中学校では前回16年の調査より30分ほど減りましたが、所定勤務時間の7時間45分を大幅に上回っています。担任する児童生徒数が多いほど在校時間が長い傾向があります。

 持ち帰り時間も含めると小学教諭は1日当たり11時間23分、中学教諭は11時間33分の労働時間になります。

 2カ月続くと厚生労働省の過労死認定の目安となる週60時間以上勤務の教諭の割合は、小学校が14・2%、中学校が36・6%。文科省は指針で残業時間の上限を月45時間としていますが、それを超えているとみられる教諭は小学校で約65%、中学校で約77%になります。

残業代支給と定員大幅増を

 全日本教職員組合(全教)書記次長の吹上勇人さんの話 文科省は前回調査と比べて在校等時間が減ったと言っていますが、たとえば小学校教員の在校等時間は1日10時間45分で、休憩時間はたったの5分となっています。所定勤務時間7時間45分を引くと平均2時間55分が時間外労働です。全教の独自調査では、土日を含め月約87時間にもなります。依然として異常な長時間勤務であり、しかもこの時間外労働に給与は支払われていません。深刻な実態があることを正面からとらえるべきです。時間外にしっかり手当を出し、定員の大幅増で負担を減らしていくことが必要です。

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