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2023年4月28日(金)

新基地建設 苦痛さらに

辺野古抗告訴訟 住民が意見陳述

高裁那覇支部

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(写真)弁論前の集会で決意を述べる金城武政さん(右)ら=27日、福岡高裁那覇支部前

 米軍新基地建設に伴う沖縄県名護市辺野古の埋め立て承認を県が撤回した処分について国土交通相が取り消したのは違法だとして、辺野古の住民らが国交相裁決の取り消しを求めた抗告訴訟の控訴審第1回口頭弁論が27日、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)でありました。

 辺野古在住の金城武政さん(66)が意見陳述し、1974年に母親が米兵に頭をブロックで殴られ、若くして命を奪われた過去を振り返りました。高校卒業後の就職先も決まり両親と将来の夢を語り合う中で起こった、思いもかけない惨事に「人さまと向き合うことがおっくうになり、暗い生活を送りました」と語りました。

 金城さんは、辺野古を飛び交う欠陥機オスプレイの墜落事故が近隣で起きたほか、米軍機の騒音被害などにさらされ、原告にとって精神的苦痛はすでに生じていると強調。「基地ができればさらなる苦痛が生じるのは明らかです」と訴えました。

 住民側代理人の白充(ペク・チュン)弁護士は、辺野古の埋め立てそのものによって被害を受ける人にしか裁判を行う資格(原告適格)はないとして、住民の訴えを退けた一審那覇地裁判決を批判。新基地ができることによって、米軍機の飛行に伴い一定の高さの住宅が事故に遭う危険を予測される住民らに原告適格が認められるべきだと述べました。


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